みなさんこんにちは。海と日本プロジェクト in ふくしま、専任事務局員の小松です。先日、今年9月8日で運行終了が決定している、小名浜港の観光遊覧船「ふぇにっくす」に乗船してきました。今日はその模様をご紹介します。
ふぇにっくす号は、小名浜港を一望できる県内唯一の観光遊覧船。いわき市の観光施設「いわき・ら・ら・ミュウ」で乗船チケットを購入すると、すぐそばの埠頭から乗船することができます。この日体験したのが、おおよそ50分の小名浜港周遊コースでした。
船が出ると、カモメたちの手荒い歓迎を受けました。何十羽のカモメたちが、乗船客がもっている「えびせん」を目当てにやってくるのです。美しい海鳥たちを目の前に、乗客の皆さんは大興奮の様子。餌付けをしたり、写真を撮影したりと、思い思いに海鳥たちとの交流を楽しんでいました。
しばらくすると船は、小名浜港の湾外に出ます。遠くに茨城県の五浦を見ながら船は南下。いわき市小浜町の「照島」を巡り、照島そばの龍宮岬を見ながら、今度は小名浜臨海工業地帯を見ながら北上していきます。
視界の奥には、かつて石炭を産出したいわきの霊峰「湯の岳」が見えます。小名浜港は今尚石炭の搬出港として日本のエネルギー産業を支えていますが、そうした歴史のダイナミズムを、このふぇにっくす号からは感じることができます。
そして、何よりこの海と風の心地よさ。風を感じて海を見ていると、やはりこの美しい海は私たちの財産、宝物なのだという思いを新たにします。この美しい海を、次世代に受け継いでいかなければなりません。
この観光遊覧船「ふぇにっくす」。1992年から運行され、多くの観光客に親しまれてきましたが、9月8日の運航を最後に廃業することが決まっています。従業員の高齢化や後継者不足などの問題が背景にはあるようです。
報道などによると、乗客数は多い時は年間7万人が利用。東日本大震災後は一時休業しましたが、現在は4万人ほどの利用まで回復していたと言います。しかしここにきて惜しまれつつの廃業が決まりました。
ふぇにっくすに乗れるのは、あと半月ほど。この美しい小名浜の海の眺望を目に焼き付けるためにも、ぜひ9月8日までに乗船してみてください。そして、この美しい小名浜港の風景を、目に焼き付けて下さい。
(専任事務局員・小松)
イベント名 | 観光遊覧船「ふぇにっくす」 |
場所 | いわき市小名浜「いわき・ら・ら・ミュウ」 |
主催 | いわきデイクルーズ |