レポート
2018.04.27

試験操業の魚の一般入札レポート(2018春)

 

みなさんこんにちは。海と日本プロジェクトinふくしま、専任事務局員の小松です。

わたしたちの暮らしと「海」をつないでくれる、もっとも身近なものが「魚」ではないでしょうか。海の恵みは、日々の食卓を豊かにし、海との距離感を近づけてくれるもの。というわけで、今回は小名浜魚市場で行われている一般入札の模様を取材してきました!

一般入札というのは、いわゆる「セリ」のこと。私たちが知っているセリは、その場で競い合うように値づけが行われますが(築地のように)、こちらの入札は、値段を書いた札を業者が入れていき、そのなかでもっとも高い値段をつけた業者さんが購入できるというシステム。つまり「1回勝負」。いわき市では現在、この「一般入札」が週に3回小名浜魚市場と沼の内漁港の2カ所で行われています。

今の時期に旬を迎えているのが、アナゴ、ヒラメ、アンコウ、さらにはヤナギムシガレイ(ヤナギ)やババガレイ(ナメタ)などのカレイ類、ホウボウなど。近海の底引き網漁刺し網漁などで漁獲された多種多様な魚が水揚げされ、業者が買い取っていきます。福島沖は暖流と寒流のぶつかりあう「潮目の海」として知られる好漁場。改めていわきの海の素晴らしさを感じることができました。

 

少しずつ震災前の姿を取り戻しつつある福島の漁業

  1. 札に書かれた価格を見比べて競り落とした業者を発表!
  2. 放射性物質の検査も万全の体制で行われています。
  3. 青いケースに入れられた魚を品定めする仲買人たち。

 

福島県は、大きく分けて二つのエリア「いわき地区」と「相双地区」の2カ所に水産エリアが分けられていて、いわき地区では小名浜漁港沼の内漁港に、相双地区では相馬市の原釜漁港に水揚げが集約されており、こうした一般入札が行われています。漁連に話を伺ったところ、いわき市では週3回ですが、原釜では平日はほぼ毎日入札が行われているとのこと。また、小名浜漁港では、サバやカツオ、イワシ、サンマなど遠洋で漁獲された魚の水揚げも行われています。

何百という船が、あらゆる漁法を駆使して魚を獲り、その魚の鮮度を落とさないよう流通業者が技術やテクノロジーを駆使し、鮮魚店や料理人たちがその目利きや技術で、魚を最高の状態で私たちに提供してくれる。たった1匹の魚に、多くの人たちの思いと技術が込められていることを、入札から想像することができました。

近くの魚屋さんやスーパーを訪れたら、ぜひ鮮魚コーナーを見てみて下さい。「小名浜産」「原釜産」「福島県産」の魚たちを見つけることができるはず。そして、見つけたら、ぜひその魚を購入して、思う存分味わって下さい。私たちが魚を思う存分味わうことが、水産に関わる人たちへのエールになり、巡り巡って「海との関係を作り直す」ことになるのではないでしょうか。

【専任事務局員:小松】

イベント詳細

イベント名試験操業一般入札
場所いわき地区:小名浜漁港、沼の内漁港 / 相双地区:原釜漁港
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