みなさんこんにちは! 海と日本プロジェクト in ふくしま、専任事務局員の小松です。
2019年7月13日、いわき市の4つの海水浴場が一斉に海開きされました。梅雨空の続いていたいわき市内ですが、今日は時折晴れ間も見え、夏の到来を感じさせる1日になりました。震災後初の海開きとなった久之浜波立海水浴場、サーファーで賑わいを見せている四倉海水浴場、鳴き砂で有名な薄磯海水浴場、さらに、いわき市の海開き式が開催された最南端の勿来海水浴場、それぞれの模様をレポートします。
まずは、震災後初めて海開きされた久之浜波立海水浴場。
波立海水浴場は、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地のひとつ。大規模な防潮堤の工事に時間がかかりましたが、地元の人たちの尽力もあって、ようやくの海開きとなりました。いわき市内で海水浴場が復活したのは、これで4箇所目となります。
午前10時から行われた海開き式には地元の関係者が集まり、今シーズンの海水浴の無事を祈る神事なども執り行われました。ようやくの海開きとあって、地元の皆さんも安堵の表情。かつてのような賑わいが戻ることを祈るばかりです。
地元の方によれば、波立海水浴場の魅力は、一箇所で海水浴と磯遊びができ、さらには弁天島や波立寺などの観光もできるところ。周囲には見所も多く、特に初夏のうちは、波立薬師の美しい紫陽花も見応え十分です。ぜひお早めに足を運んでみて下さい。
さて、続いては四倉海水浴場です。お昼ごろになると天気も回復し、時折夏らしい青空も顔を出すなど絶好の行楽日和となり、海開き初日にも関わらずたくさんの家族連れで賑わっていました。
四倉海水浴場は地形にも恵まれ、サーフィンの国際大会も開かれるなど、東北屈指のサーフィンのメッカとして知られています。この日もたくさんのサーファーが海に入り、波の感触を楽しんでいました。
海水浴場のすぐそばには、道の駅よつくら港や、地元屈指の鮮魚店「大川魚店」、また、車で15分ほどの常磐自動車道四倉インターのそばには「いわきワンダーファーム」もあり、いわきの食を楽しむには最高のエリアです。
続いては、シンボルの塩屋埼灯台が点灯120年を迎える薄磯海水浴場です。
2017年に復活した薄磯海水浴場は、美空ひばりのヒット曲「みだれ髪」に歌われた塩屋埼灯台を望む、いわき屈指の美しい海水浴場。待ちに待った海開きということで、この日を楽しみにしていた家族連れが、久しぶりに味わう波を満喫していました。
今年は、塩屋埼灯台の点灯120周年。夏の行楽シーズンを盛り上げようということで、様々なイベントが予定されています。白砂と灯台、さらには青い波と空の美しさはいわき随一。ぜひ観光に訪れてみてください。
周辺の観光地といえば、やはり塩屋埼灯台ですが、薄磯海水浴場にも広い磯場があり、カニやヤドカリ、イソギンチャクなど磯場の生き物を観察できます。波の低い干潮の時間帯は様々な生き物に出会えるはず。ぜひ磯遊びの用意をして出かけてみて下さい。
写真:いわき市総合観光案内所ツイッターより
4箇所目が、いわき市最南端の海水浴場、勿来海水浴場です。
いわき市では震災後最も早く海開きされた勿来海水浴場は、県外からもたくさんの海水浴客が訪れた、市内屈指の海水浴場です。広々と開けた眺望は多くの人を魅了し、晴れた日には思い切り開放感を味わえます。
震災後は客足が遠のいている状況が続いていますが、穏やかな波や、南北に長い砂浜の美しさはやはり格別。近くには、飲食店や温泉施設「関の湯」、勿来関などの文化施設などもあるので、1日ゆっくり見て回ることをお勧めします!
2011年の震災以降、「海で遊ぶ」というライフスタイルそのものがなくなり、子どもたちと海の距離が離れてしまいました。多数の犠牲者を生み出した海で泳ぐことに抵抗のある人たちも多いと思います。だからこそ、若い世代や、県外の人たち、すなわち「震災を直接は体験していない人」の賑わいづくりが、復興をあと一歩進めるためには重要です。
海でのレジャー、あるいは海の味覚という直接的な恵みだけでなく、生物の多様性や、環境保全の大切さなどを学ぶにも、海は多くのもの私たちにもたらしてくれます。海のそばに暮らす人たちには「当たり前」のことかもしれませんが、その「当たり前」が壊れてしまった今、改めて、「当たり前」を地道に発信し、体験できる場づくりを続けたいところです。
4箇所にまで増えた今年の夏のいわきの海。かつてのような「海と人のつながり」取り戻すためにも、ぜひ一度、いわきの海に出かけてみてください。お気に入りの海水浴場が、きっと見つかるはずです!
(専任事務局員・小松)
イベント名 | いわき市 海開き |
日程 | 2019年7月13日(土) |
場所 | いわき市波立海水浴場、四倉海水浴場、薄磯海水浴場、勿来海水浴場 |