レポート
2020.05.01

【海ごみレポート10】福島でも活かせる?世界のユニークな取り組み

 

みなさんこんにちは、海と日本プロジェクト in ふくしま事務局レポーターの久保田貴大です。

美しい海を未来に残すためには、海洋汚染のことをちゃんと知って、私たち一人ひとりに何ができるかを考え、行動していく必要があります。海ごみレポートは今回が最終回。福島県沿岸にも多くの海洋プラスチックごみが漂着していることは前回もお伝えしましたが、「私たちにできる最善のアクションって何だろう?」と考えてもなかなか思いつきませんよね。今回は、そんな「問題への関わりにくさ」を少しでも和らげようということで、海外のユニークな取り組みを紹介します!

 

海ごみレポート 第10回
福島でも活かせる?世界のユニークな取り組み

 

釣果は大物の魚!ではなく、ゴミ…?

「釣り」といえば普通、釣り糸を垂らして獲物がかかるのを待ち、タイミングよく竿を引いて大物の「魚」をゲットするもの…ですが、オランダの首都、アムステルダムでは「ゴミ」を釣り上げる体験型ツアーが行われているようです。

 

 

「Plastic Fishing」と名付けられたこのツアーは、名前の通り川でプラスチックごみをつり上げ、楽しみながらごみの削減について考えようというプログラム。なんと3500円の参加料金がかかります。それにもかかわらず、すでに20,000人もの人がすでに参加したプログラムだとか。

このツアーのモットーは「STOP TALKING. LET’S START DOING!(議論するのはやめて、行動しよう)」。面白がりながら行動することで、課題に直接コミットし、問題を身近に感じてもらおうという取り組みです。この取り組みの面白いところは、何といっても「有料のツアー」になっているところ。楽しみながら課題に取り組めば、それに対してお金を払ってくれる人がいるし、社会課題の解決にもつながるという、一石何鳥にもなるような仕組みができているのが素晴らしいと思います。

 

 

プラごみをボートに!

一方、台湾では海岸に流れ着いたプラごみを集めてボートにしてしまう取り組みが行われました。

その活動が行われたきっかけはなんと、

「海のごみは、海を漂って流れてきたんだから、浮力があるわけでしょ? 船にして乗れるんじゃない?」

というアイディアからだそう。考えてみればそれはそうなのですが、ゴミを「遊べる形」にするというのがとてもユニークですよね。

昨年の4月に行われたイベントでは午前8時から午後5時までの長時間、しかも気温25度という、体力的にかなり厳しい条件下にもかかわらず、大勢の人が参加したようです。

海に打ちあげられた大量のごみの中からボートとして使えそうなものを集め、制限時間内に船を作り、実際に海に浮かべている様子がYouTubeに上がっています。

このイベントが行われている台湾の澎湖諸島では海を挟んだ中国からの海洋漂着ごみが吹き寄せられ、大きな問題となっています。漁業で使われる発泡スチロールのごみも多く、そうしたごみは小さな穴が開いており有害物質を蓄える性質があるので、海ごみの中でも特に問題視されています。

澎湖諸島の海ごみの問題はこのように、ともすれば重たい話題ではありますが、参加型のイベントにすることで、楽しみながら考えることができるのは画期的な取り組みだと思います。

 

海ごみの「難しさ」を取り払い、「楽しく」課題にコミットする

これまで海外の2つの事例をとりあげましたが、両者に共通するのは「海ごみという難しそうな課題を、楽しみながら考える」方法を採っていることです。

海ごみというと地道な清掃活動やごみの排出削減という話になりがち(もちろん、それはそれで絶対に必要なことです)。しかし、まず最初の一歩は、このような形で楽しみながら海ごみと接する機会を持ってみることで、より問題が身近に感じられるようになるのではないでしょうか。

こうした事例を日本や福島でもぜひ実践していきたいですね。

 

参考資料・画像出典

Plastic Whale

IDEAS FOR GOOD

AERAdot.

Getty Images

イベント詳細

イベント名福島でも活かせる?世界のユニークな取り組み
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