ゴールデンウィークも終わり、初夏の陽気が気持ちいい季節となりました。いよいよ本格的な海のシーズンが迫ってきていますね。
いわき市小名浜港では有志の団体が「クリーンアップあさんぽ」という取組みを始めました。活動の後には朝ごはんタイムも。朝のうみべを散歩しながらキレイにする、そんなユニークな活動をレポートします。
晴天が広がる5月の朝。朝7時半、朝食持参での集合という健康的なスケジュールのもと、家族連れの親子など地元在住の計6組が小名浜港に集合しました。
今回の「クリーンアップあさんぽ」は「小名浜のまちを、ごみを拾いながらまったりと散歩して、海の前で、青い空の下で、朝ごはんを食べる。」という、なんともゆる〜いコンセプトでの開催。参加者はそれぞれトングとゴミ袋を持ち、さっそく小名浜港を歩き始めました。
まずは小名浜港の観光物産センター「ら・ら・みゅう」周辺のゴミ拾いから。普段から多くの人が訪れる施設というだけあって、さすがに清掃が行き届いているように見えます。
が、しかし。よくよく目を凝らしてみると、落ちてる落ちてる…! たばこの吸い殻やお菓子の包み紙など、小さなゴミが出てきます。子どもたちもゴミ拾いに参加していたのですが、視点がより地面に近いからでしょうか、大人たちより多くのゴミを拾っているように見えます。きっと彼らには我々大人たちが見せたくないようなものもよく見えているんだろうなぁ。
一行はさらに歩みを進めて小名浜魚市場方面へと向かいます。目の前には北海道は稚内からはるばる小名浜港に寄港した漁船が。福島の海が遠く北海道の海とひと続きになっていることを感じさせてくれます。
魚市場周辺では先ほどの「ら・ら・みゅう」周辺よりも多くのゴミが見つかりました。釣り客が捨てていったゴミや、漁船の陰に溜まった大量のゴミなど… 一見清々しい漁港の風景の中には、目を背けたくなるような悲しい姿が垣間見得ていました。
特に小型船が寄港するエリアの周辺では、ペットボトルや空き缶の他に、酒瓶やガスボンベなど、場合によっては人に危険を及ぼしてしまうようなゴミもたくさん落ちていました。ある所では、おそらく漁業者が捨て場に困って”とりあえず”置いていったゴミが、次第に溜まっていき、事実上のゴミ捨て場となってしまっている場所も。「海を支えている人によって海が汚されている…」そんな複雑な現実を前に、思わず言葉を失ってしまいました。
小名浜港をぐるっと歩いて周ったあとは、手を洗ってお待ちかねの朝食タイムです! 各自持ち寄った朝食を囲みます。コーヒーも振る舞われ、それぞれ持参したマイカップでいただきます。
参加者からは「おにぎりを包むのにどうしてもラップやアルミホイルを使わなきゃならないのが心苦しかった…」なんて声も聞かれた一方、ある参加者は「蜜蝋ラップ」と呼ばれる、紙と蜜蝋の自然素材からできた包装でサンドウィッチを包んできている人も。こうした新しいアイディアを共有できたのも、今回のようにみんなで集まって活動をするメリットなのかもしれません。
そんな話をしつつ、今回の「クリーンアップあさんぽ」はこのあたりで解散。
「また次回もやりたい!」という声が参加者から多く聞こえました。今後の「クリーンアップあさんぽ」の動向に目が離せません。
ゴミ拾いと言われると、なんだかものすごく真面目な活動に聞こえてしまいますが、自分が住む街を散歩しながら”ついでに”ゴミ拾いもしよう、というような今回の企画は、もしかしたら環境問題へのハードルを下げてくれる取り組みだったのかもしれません。
※なお、今回の「クリーンアップあさんぽ」は参加者同士の距離を保った上で、食事の時以外はマスクを着用して開催されました。
イベント名 | 「クリーンアップあさんぽ」 in 小名浜港 |
参加人数 | 15名 |
日程 | 5月16日 |
場所 | いわき市小名浜港 |