みなさんこんにちは。海プロ in ふくしま、レポーターの久保田です。
新型コロナウイルスの自粛期間中は行きたいお店にもあまり行けず、つらい思いをされた方が多かったのではないでしょうか? そんな中、いわき市中之作にある、海が見えるカフェ『月見亭』が、先月29日から営業を再開! 再開の知らせを聞いて実際にお店を訪れてみると、この日を楽しみに待っていた多くのお客さんで賑わっていました。
営業を再開したのはいわき市中之作地区にあるカフェ『月見亭』。眼下に中之作の折戸漁港を見下ろす丘の上の、古民家カフェです。2019年のオープン以降、素晴らしい眺望と、おいしいカフェめしで多くの人を魅了してきました。
漁港に車を停めて街の通りに出ると、「月見亭まであと160歩」の看板が。ここが月見亭に通ずる坂の入り口です。細い坂道には、古き良き港町の家々が並び、なんとも昔懐かしい雰囲気で風情があります。ひたすら登っていくと、途中から小さな白い建物が目に入ってきます。これが月見亭です。
坂を上りきってお店の前に立つと、眼下には中之作の海が一望できます! 坂の下では聞こえなかった波の音も聞こえてきました。
この月見亭は、震災後に誕生したまちづくりのプロジェクト「中之作プロジェクト」の活動の一環で再生されたものです。中之作プロジェクトは、震災後多くの建物が解体の危機に瀕していた際、「このままでは中之作の豊かな漁村風景が損なわれてしまう」との思いのもと住民主導で始まった、古民家再生や港町の風景の保存を目指すプロジェクト。中之作で設計事務所を主宰する建築家の豊田善幸さんが代表を務めています。
その豊田さんと千晴さんのご夫婦が、荒れ果てた丘の上の薮の中にこの物件を見つけ、ワークショップを開きながら住民参加を促し、3年にわたる修復作業を経て、このカフェは完成しました。
車が入れないところにあるので、重さ約150キロの浄化槽をメンバーの手で運んだこともあったそうです。港町を思う存分楽しみたいという人たちの思いで開かれたカフェ。柱にも床にも、もちろんメニューにも風景にも、中之作の魅力が詰まっています。
この日はカレーが終わってしまったとのことで、旬菜プレートを注文しました。
注文したプレートは10種類以上の野菜を使用しているという、ヘルシーなメニュー。特にこの玉ねぎのソテーがとろっとろで「本当に玉ねぎなの?」というほど濃厚な食感でした。他の品もシンプルながらしっかりと練られた味付けになっていて、ペロリと平らげてしまいました。
食事のあとはコーヒーとレアチーズのケーキも。海を見ながらのコーヒーとデザートは時間を忘れさせるようなひと時を過ごさせてくれます。
様々な人の手がかかって、中之作に新たな風景を作り出したカフェ『月見亭』。皆さんもぜひ、感染対策を万全にされたうえで、出かけてみてはいかがでしょうか? 海っていいなあ、この風景を、どうしたら次の世代に引き継げるかな、そんな気持ちも、芽生えてくるかもしれません。
<海プロ in ふくしまレポーター・久保田貴大>
<参考URL>
イベント名 | 月見亭が営業を再開! |
日程 | 定休日:水・木 営業時間:月・火 11:00~16:00 金・土・日 11:00~18:00 |
場所 | いわき市折戸36-3 |