みなさん、こんにちは。海と日本プロジェクト in ふくしまレポーターの松井武郎です。
今年の6月に、「海無し市」の福島市からいわき市へと移住してきました。いわきのこと、海のことをほとんど知らない私がまず手をつけたのが、いわきの海を知ること。新しくできたサイクリングロード「七浜海道」の周辺をドライブしたり歩いたりして見た風景や学んだことをレポートしています。いわき市の中之作港から始まった連載は4回目。今回は小浜海岸・岩間海岸を紹介します。
前回訪れた小名浜臨海工業地帯から、七浜海道沿いにしばらく車を走らせます。県道239号の長い上り坂から、下り坂に差し掛かると、まぶしい海が視界に飛び込んできます。
駐車場に車を停めて、海岸に出てみます。この岩間海岸はとにかく砂浜が広々としていて、開放感がすごいです。パノラマ状に景色が広がり、弓なりの海岸線はどこまでも伸びているように感じます。この日は快晴で、海岸は賑わいを見せていました。サーフィンポイントとして大人気らしく、サーフィンのメッカと言われているようです。
海岸の周りを見渡すと、緑が目立ちます。岩間海岸のある地区は、震災で津波の被害にあった場所の一つです。震災後、海沿いには防災緑地が整備され、いわき市の木であるクロマツをはじめとして、さまざまな樹木が植えられています。
また防災緑地には、震災の記憶を後世に残すため、卵型のモニュメントがあります。このモニュメントの名前は「きみと」。勿来のNPO法人と東京藝術大学などが協力して、2018年に作られたそう。卵型モニュメントの下にはタイムカプセルが埋まっており、20年後の2031年3月11日に開けられるそうです。2031年には、このあたりの景色はどのようなものになっているでしょうか。変わらず美しくあってほしいと願います。
岩間海岸は広々とした海の解放感も魅力ですが、こうした震災の記憶に触れるきっかけとなる側面も持っています。この日海岸沿いには家族連れが多く、散歩している子供たちの声が響いていました。こうした震災を知らない世代に向けて、震災の記憶を受け継いでいくのは私たちの責務であると考えます。このモニュメントはどのような背景で作られているのか、地域の外から来たものとして、学んでいかなければならないなと感じます。
周辺の地図を見てみると、岩間海岸に来るまでの道中に小浜海水浴場という海水浴場があることを知り、引き返して訪れてみることにしました。入り口は住宅地の中にあり、気を付けてないと見落としがちです。
こぢんまりとしていて、穴場の雰囲気が感じられます。先ほどの岩間海岸の広々とした雰囲気とは対照的です。時間が遅いこともあってか、砂浜にほとんど人はいませんでした。海水浴場のすぐ隣には、小浜漁港があり、こちらも古き良き趣があります。釣りスポットとしても人気なようで、この日も釣り客の方を多く見かけました。
小浜海岸は時間がゆっくりと流れているようにに感じました。海水浴もいいですが、ここではのんびりと海に夕日が落ちるのを眺めていたい。そんな気持ちになりました。
この日は2つの海岸を訪れました。広々としてにぎやかな雰囲気の岩間海岸と、こぢんまりとしていて落ち着いた雰囲気の小浜海水浴場。近くにある2つの海岸ですが、それぞれの色が感じられて面白い体験となりました。みなさんも海それぞれの特色を比較してみると面白いかもしれません。それではまた次回!
海プロ in ふくしま レポーター:松井武郎
イベント名 | 七浜海道散歩 岩間海岸・小浜海岸 |