みなさんこんにちは、海と日本プロジェクト in ふくしま、リポーターの小松です。ふくしまの秋の海の魅力を紹介する「秋海さんぽ」の時間です。秋にまったりと過ごしてほしい、沿岸のスポットを紹介しています。今日は、南相馬市鹿島区の真野川漁港を紹介したいと思います。
真野川漁港は、南相馬市の北側、鹿島区の烏崎(からすざき)というところにあります。真野川が太平洋に注ぎ込むポイントが漁港になっている、地形的にもおもしろい漁港です。遠くに風力発電の風車が見えます。漁船と風車のコントラスト。これが真野川漁港のならではの景色です。
漁港をぼんやりと眺めていると、たくさんの漁船が停泊しています。調べてみると、主に近海のカレイやヒラメ、コウナゴなどが水揚げされているとのこと。私が訪れたのは朝ではありませんでしたので、水揚げの様子は見られませんでしたが、こうしてたくさんの漁船が停泊する港を歩くだけで、朝の賑わいが想像できます。
震災前、真野川漁港には50数隻の漁船が所属していたそうです。震災でそのうちの8割が損壊。地域の住民58人が犠牲になってしまうなど、甚大な被害を受けました。懸命な復旧作業の結果、漁港が再開。少しずつかつての賑わいを取り戻すべく、漁師や水産業者たちが毎朝、この場所を仕事場にしています。
釣りをするわけでも、なにか目的があるわけでもありませんが、岸壁に打ち寄せる波の音を聞きながら、こうしてゆったりとした気持ちで歩くだけで、心が落ち着き、深呼吸したくなります。あまり余計なことを考えず、風景に没頭できるからかもしれません。
ただ、そこにあるだけで私たちを癒してくれる。そんな海のおおらかな存在感を、この真野川漁港では感じられるかもしれません。なお、近くの烏崎海岸では、相馬の野馬追が近くなると、乗馬の練習風景が見られるそうです。ぜひ時期を変えて再訪してみたいと思います。