甚大な海洋汚染を引き起こしている「海洋プラスチックごみ」削減のための、大きな一歩となりそうです。
長野県軽井沢町で開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合で、関係各国は、海洋プラスチックごみの削減のため、各国が協調して取り組む初の国際枠組み「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組み」の創設で合意しました。プラスチックごみの適正な回収と管理や、リサイクルの促進などの対策を実施し、定期的に国際会議で報告する機会を設けることになります。
新聞報道などによれば、共同声明では、海洋プラごみや、海を漂う間に砕かれてできるマイクロプラスチックが生態系などに与える悪影響を指摘。「緊急的な行動が求められる」とされたそうです。また、プラごみの海への流出を減らすため、国際社会と連携し、各国が適切な取り組みを速やかに行うことを決意するとされました。
膨大なプラスチックゴミを分別する女性(バングラデシュ・ダッカ)/ Embed from Getty Images
プラスチックは、便利な素材として現代社会になくてはならないものになっていますが、使用後に適切な処理ルートから外れたものが、最終的に海にたまり続けて新たな地球環境問題になっています。毎年800万トン以上が海に流れ込んでいるとされ、2050年には魚の重量を超えるとの試算もあります。可及的速やかに対策を取らなければなりません。プラごみ問題は「待ったなし」の状況です。
一方で、日本の取り組みは、欧州連合(EU)などに比べて遅れているとも言われています。昨年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、プラごみ削減に向けて数値目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」への署名をアメリカとともに拒否し、日本は批判を浴びたことがあります。
広い海で流出したプラスチックごみをどのように発見するのか。また、どのように流出量を推計し、排出元に規制や対策を求めるのか。産官一体なって、海ごみゼロ、プラごみ削減を実現しなければなりません。日本は海洋国家として重い責任を負っています。
そのためにも、私たちもまずは「知ること」から。海ごみ、プラごみに関するニュースなどを広く集め、みなさんにお知らせしながら、できる限りゴミを出さないよう、「ゴミを分別」「ゴミを自然に捨てない」「ゴミを拾う」の行動を徹底したいと思います。
(専任事務局員・小松)
イベント名 | 海洋プラごみ削減へ G20で国際枠組み創設で合意 |