みなさんこんにちは!
海と日本プロジェクト inふくしまレポーターの前野です。
5月12日(木)、小名浜港で今シーズンはじめてかつおが水揚げされると聞き、現場に取材に向かいました。
小名浜に初夏の訪れを伝えるかつおは、福島県に水揚げされる魚の中で、年間の水揚げ量がもっとも高いといわれています。
さらに、小名浜港は全国主要43港でも水揚げ額で上位を誇り、消費量も全国トップクラス。初夏から夏にかけて、北の海に向かうところを水揚げするのですが、北上するにつれて徐々に油がのり、季節に応じて味の変化を楽しめるのが魅力です。そして、初がつおはさっぱりした味わいが特徴です。
当日の朝、6時30分ごろに小名浜港に到着すると、早朝にもかかわらず水揚げされるその瞬間を目撃しようと多くの人が集まっていました。漁師、地元の魚屋、水産加工会社、マスコミ、地域の方々など、現場に集うみなさんから伝わってくる独特の緊張感。静かだけれども、みなさん熱い想いをどこかに秘めている。これが小名浜港についた私が一番初めに感じたことでした。
普段の業務や職種は違えど、みなさんが「今日」という日にどれだけの想いをかけているのか、一人ひとりの生き様を感じた瞬間でした。
小名浜港に着いた巻き網船第22寿和丸から、かつおの鮮度を保つために入れられた大量の氷が出されていきます。15分ほど経ったでしょうか。全ての氷が出し終わりました。こんなにもの氷が積まれているのか…
その量に驚きました。
そしていよいよかつおの登場です。東京・八丈島から長旅を終えたかつお達が勢いよく水揚げされました。ぞろぞろとベルトコンベアに乗ったかつおは、大きさ別に選別され、セリや入札で売る準備がはじめられます。私たちの食卓にのぼるまでに、多くの方が関わっていることを現場に行き改めて知ることができました。
その後、かつおに向き合うみなさんの真剣な表情、嬉しそうな姿を目に焼きつけながら小名浜港をあとにし、職場に向かいました。
その日の夜、どうしても今朝みたかつおを食べたいと思っていた私は、仕事終わりに職場の近くの「さんけい魚店」にかつおを買いに向かいました。お店の前に行くと、初水揚げを知らせる看板が立っており、この看板を目印にたくさんの人がさんけい魚店に足を運んだんだろうなと思いました。
時間も遅かったため、売り切れているかもしれないという不安を抱えながらお店に入ったのですが、運良く最後のひとつを購入することができました。すぐにシェアメイトにも連絡をし、夜ご飯はみんなで食卓を囲み、初がつおをいただきました。
さきほど運を使い果たしてしまっていたのか、にんにくをちょうど切らしてしまっていたことに大変後悔しましたが、鮮度抜群の身の弾力をみんなで噛み締めていました。
「小名浜で水揚げされたかつおは、行商人が常磐線沿いの南相馬まで売りにきた歴史があるんだ。」
水揚げの様子を自分のSNSでアップすると、かつて南相馬にいた時にお世話になった方が、コメントで教えてくれました。
南相馬には、調味料で漬けたかつおを揚げ焼きにした「かつおの焼き漬け」という郷土料理があるそうで、今度はこのレシピを参考につくってみたいと思います!その模様も今後こちらでお届けできたらと思いますので、お楽しみに!
浜通り全域が初がつおの話題でもちきりになった一日でした!
それではまた次回!
イベント名 | 初がつおの水揚げ |
場所 | 小名浜港 |