みなさん、こんにちは! 海と日本プロジェクト in ふくしま、レポーターの染矢です。
近年問題となっている海洋ごみ。実は、その8割が陸から出ていることをご存知ですか? 陸で出たごみが海に流れるのを食い止めようと、誰もが気軽に清掃活動できる「拾い箱プロジェクト」が全国各地で広がっています。
11月8日、いわき市でもついにこの取り組みが始まり、一般社団法人ふくしま海と緑のプロジェクトが市内のファミリーマート3店舗に「拾い箱」を設置しました。箱のデザインは、会津坂下町出身の漫画家高橋ヒロシさんの人気作「クローズ」「WORST」とのコラボレーション。今回は、市内のファミリーマートで行われたプレス発表会の様子をお届けします。
会場となったのは、ファミリーマート永崎海岸店。目の前に真っ青な海が一面に広がる絶好のロケーションです。
まずは、お披露目された拾い箱を早速チェック。中には、燃えるごみ、燃えないごみ、びん・缶、ペットボトルに分別できるごみ箱に加えて、ごみ拾いに必要なごみ袋やトング、軍手などの道具がセットされています。
「クローズ」「WORST」とのコラボデザインもインパクト大! さらに、各店舗に3体ずつ設置されるキャラクターパネルがずらりと並び、ポイ捨てを防止するユニークなメッセージが目を惹きます。
プレス発表会の冒頭、司会者から「福島中央テレビのWebアンケートを実施し、海洋ごみ問題の認知度は高いものの、実際にごみ拾いをしたことがないと答えた人が約75%だった」という話がありました。
最近各地でビーチクリーンなどの清掃イベントは行われているものの、個人が自発的に行動するまでには至ってないようです。だからこそ、手ぶらで誰でも気軽に清掃活動できる拾い箱というアイディアは画期的。
(一社)ふくしま海と緑のプロジェクト理事で、いわきFCを運営するいわきスポーツクラブ代表取締役の大倉智氏も出席し「海洋ごみ削減について具体的なアクションをどのように起こせばいいかわからない人も多かったと思う。それを解決できるすばらしい活動だ」と絶賛されていました。
プレス発表会の最後は、取材にきていたメディアも含めて皆でコンビニ裏の空き地を清掃。私は、コンビニ脇の側溝を掃除してみたところ、土に埋もれた食品のプラごみが大量に出てきました。
清掃時間は数分でしたが、草木が生い茂る場所にペットボトルが大量に入った家庭ごみ、さらにはウェットスーツなど大物ごみまで見つかり、想像以上にポイ捨てが多いことに驚きました。
プレス発表会終了後、せっかくなので人生初のセルフビーチクリーンをしてみることに。拾い箱から道具を取り出し、ファミリーマートの道路沿いから永崎防災緑地までを歩いてみました。
ぺちゃんこになった缶や泥で汚れたビン、土に半分埋もれていた食品のプラごみ、大量のタバコの吸殻など、次々とあらゆるごみが見つかります。
ポイ捨てされたのか、風で飛んできたのか、どのようにこの場所に捨てられたかはわかりませんが、これだけ多くのごみが捨てられている現状に怒りと悲しみの感情が湧いてきます。ふと顔をあげてみると、ごみばかり見て心が荒んだ私を癒やしてくれるかのように雄大な海が微笑みかけていました。
自分が今ごみを拾った分だけ、この美しい海を守ることができたんだと気持ちを切り替え、黙々とごみ拾いに没頭。約30分間でごみ袋半分ぐらいの量を拾いました。
拾ったごみを拾い箱に持って行ったところ、正しく分別されていないごみを発見。案外ごみの分別をしっかりと把握している人は少ないのではないでしょうか。
例えば、ビン・缶ごみは汚れがひどい場合は、可燃ごみとなります。「ごみを正しく分別するまでがごみ拾い」です。分別の際は、もう一度いわき市の分別情報を確認してから捨てるように心がけましょう。
拾い箱は、永崎海岸店のほかに、勿来関田店、四倉上仁井田店の3店舗に、12月7日まで設置される予定です。
ほんの数分の清掃活動でも、福島の美しい海を守る大きなアクションとなります! ぜひみなさんもこの機会にごみ拾いをしてみてはいかがでしょうか。
イベント名 | 「クローズ×WORST コラボ拾い箱プロジェクト」 |
日程 | 2024年11月8日 |
場所 | ファミリーマート永崎海岸店 |
主催 | (一社)ふくしま海と緑のプロジェクト |
協賛 | ファミリーマート |
埼玉県所沢市出身。2021年にいわき市へ移住。旅行ガイドブックの編集・ライターを経て、現在いわき市でフリーランスとして活動中。