東日本大震災で巨大津波の被害を受けた福島県浜通り。地域の復興の「今」を見つめ、今一度、海に根付いた地域の文化や、その町に生きて来た人たちに思い馳せたい。海と日本 PROJECT in ふくしまでは、そんな思いから、被災地の今を紹介するシリーズ「海と復興」をお届けしています。
第14回目となる今回は、双葉郡広野町に完成した「ひろの防災緑地」について取り上げます。
この防災緑地は、東日本大震災後に建造された防潮堤機能を持った緑地です。防潮堤は、より海に近い箇所に建てられていますが、この緑地は、防潮堤よりもさらに高く盛り土されており、津波災害時には防潮堤として機能しますが、普段は海の見える道路や遊歩道として活用されることになります。
こうして見ると、あれほど甚大な津波被害があったことを忘れてしまうほど美しい景色を眺めることができます。しかし、こうした防災緑地の存在そのものが、津波の記憶を引き継ぎ、万が一の被害を最小限に食い止めるものでもあります。防災の観点から、海と私たちの暮らしについて考える、格好の場所かもしれません。
防災緑地から陸側をみると、広野町を一望することができます。防潮堤は「津波を防ぐため」ではなく「津波の到達を遅らせるため」に建造されるものです。いざというときのため、この防潮堤から避難場所や経路を確認してみてはいかがでしょうか。
(専任事務局員・小松)
イベント名 | 広野町「ひろの防災緑地」 |
日程 | 福島県双葉郡広野町地内 |