みなさん、こんにちは! 海と日本プロジェクトinふくしまレポーターの前野です。先日、私が暮らしている小さな港町・中之作で芋煮会を開催しました。当日は、中之作のシェアハウス・コウノヤの住人や江名地区で地域活動を行うメンバーなど13名が集まり、芋煮会や中之作のまちあるきを行いました。
芋煮会の会場になったのは、中之作にある診療所「中山医院」の屋上です。中山医院は、地域のための診療所として、中之作出身の中山元二さんが28歳の時に開業されました。中山医院は、自宅から30秒ほどの場所にありますが、これまでは挨拶を交わす程度で接点をもてていませんでした。10月にコウノヤメンバーで企画した骨董市「榎戸市」で、中山医院のみなさんに食器を提供いただいたところから交流がうまれ、今回ご好意で屋上を貸していただけることになりました。
江名地区のかかりつけ医である中山医院は、なくてはならない中之作のランドマークです。夏に行われた、元二先生の新盆を供養するじゃんがら念仏踊りには、近隣にお住まいの方が多く駆けつけていました。
とはいえ、医療に馴染みがない若い世代にとっては、中に立ち入ることもはじめて。芋煮の準備が終わり、期待を膨らませながら中山医院の屋上へ到着すると、高いところから見下ろす中之作の海に、みんなでひとしきり感動していました。屋上からは、漁に出ている船が港に戻ってくる様子を遠くに捉えることができました。いつも見ているはずの海や景色も、視点を少し変えただけで見え方や印象が変わります。
その後、中山医院のみなさんや友人が到着し、芋煮会がスタート! 醤油・牛肉バージョンと、味噌・豚肉バーションの2種類を振舞いました。いわきの四倉地区の小学校では毎年芋煮会を開催していたらしく、芋煮は山形県だけでなく、東北地方に広く普及する郷土料理なのだと実感しました。
芋煮を食べ終えた後は、中之作出身で、現在はかしま病院で医師を務める中山大先生の思い出の地をめぐるまちあるきを行いました。中之作の諏訪神社の下にはかつて保育園があり、3歳のころから一人で通っていた話や、もともと水路だったところに今の道路が建設された話など、さまざまなエピソードが飛び出しました。
誰かの思い出を頼りに歩くことで、かつてあった風景をより想像しやすくなる。「人」を介して地域に興味をもつ私にとって、文献や資料を頼りにするよりも、自分ごととして「中之作」を捉える機会になりました。
最近は、榎戸市や芋煮会をはじめ、「小さなイベント」を仲間内で企画することが増えました。小さなイベントではありますが、開催する度に新たな出会いや発見があります。
そうした出会いや発見は、自分たちの暮らしを豊かにすることはもちろん、今回の芋煮会がそうであったように、次の企画のタネにもつながっていきます。自分たちで楽しむ姿勢を大切にしつつ、その輪を少しずつ地域にはみだしていけたらと思います!
海と日本プロジェクトinふくしまレポーター:前野
イベント名 | 中之作の海を見ながら芋煮を食べる会 |
参加人数 | 13名 |
日程 | 2023年12月2日(土) |
場所 | 中山医院 |
主催 | コウノヤ |