インタビュー:畑中駿之介さん 外の目線からいわきの魅力を発信

2021-7-14
海と日本PROJECT in ふくしま

 

みなさん、こんにちは。海と日本プロジェクト in ふくしまレポーターの松井武郎です。

いわきの街をこの夏、いわきで「Cycle Weekend in Iwaki」という企画が始まります。コロナで巣ごもりになってしまっている都心の大学生をターゲットに、自転車で散歩するように街を走る「散走」がコンセプトの2泊3日のプランです。プランを企画した慶応義塾大学の1年生で、現在いわき・平市にあるゲストハウス「FARO」で長期インターンに来ている畑中駿之介です。私は、畑中さんと、以前インタビューさせていただいたシェアハウス・コウノヤの管理人の久保田さんによる紹介で知り合いました。そんな畑中さんに都市出身者・大学生目線で見た福島の海について聞いてききました。

 

 

いわきに移住して感じる海とのつながり

  1. 畑中さんがインターンを行っているいわき市・平のゲストハウスFARO
  2. 先日行われた「Cycle Weekend in Iwaki」の様子
  3. これからも続々と外からいわきに人を呼び込む企画を行っていくそう

今日は取材を受けていただき、ありがとうございました。まずはいわきに来た経緯をお聞きしたいです。

元から地方創生や場づくりに興味があり、大学の授業もオンラインで行われているので、実際に体験してどのようなものか確かめたいと思い、地域でのインターンを探し始めました。その時に奄美大島かいわきという選択肢を提示され、最終的に「FARO」のオーナーである北林さんの人柄に惹かれ、いわきを選びました。

 すごい行動力ですね!ちなみに場づくりや地域活性に興味を持ったのには何かきっかけがあったんですか?

2019年の夏に「HLAB」という高校生向けのサマーキャンプに参加しました。そのキャンプには全国から大勢の高校生が集まっていて、そこで高校生間の情報格差や教育格差を目の当たりにし、教育と地方創生に関心を持つようになり、そこから地域に対する興味が深まり、場づくりや地域活性に興味を持つようになりました。実際に来てみて、本や授業で地方のことを学ぶのと、肌で感じるのは全く違うなと感じます。

 なるほど。実際にどのような違いを感じましたか?

旅行で海に訪れる機会はよくあったのですが、実際に海がある街で暮らしてみると、港町独特の文化というものが想像以上に根深くあるなと感じます。例えば「魚を食べる」ということへの捉え方などにもその文化は表れていると思います。僕が通っている平市の床屋さんで「昨日カツオを貰ったから、欲しかったらあげるよ!」という様なことを何回か言われていて、今まで魚をおすそ分けでもらう経験がほとんどなく、自分にとって魚はスーパーなどで買うものという認識が当たり前だったので驚きました。

私もこっちに来てからイワシを9匹もおすそ分けでいただいたり、魚以外でもお野菜をいただいたりしました。福島市でもおすそ分けをいただくことはあるのですが、頻度や量の違いに驚かされます。いわきで食べた物で特に印象に残っているものはありますか?

カツオですね!スーパーで買ったものだったので、正直に言うとあまり期待はしていなかったのですが、そのカツオはいわき市・中之作港でその日の朝に水揚げされたカツオで、臭みもなく肉厚で、ペロリと1パック平らげてしまいました。それからは、スーパーで海産系を見かけるとテンションが上がってしまいます。

スーパーなどに行った際に、海産系を意識することが増えたなと自分も感じているので、よく分かります。

それ以外にも、僕がインターンをしているゲストハウス「FARO」のオーナーの北林さんはイタリアンシェフなので、さんまのポーポー焼きといういわきの郷土料理を使った肉詰めや、サバのタコライスを作っていただいたことがあります。どちらも本当においしくて、郷土料理とイタリアンの相性の良さに驚きました。

自分はまだいわきの郷土料理は食べたことがないんですよ。サンマのポーポー焼きは今一番気になっています。

サンマのポーポ焼きは、「魚にはこんな食べ方があるのか!」と驚きましたね。

魚を食べる機会の多い港町だからこそのの知恵と工夫が詰まっているのを感じますよね。

そういった街の風土が食などに顕著に表れているのが面白いなと感じます。今まで海と言ったら遊びに行く場所で、そこにある暮らしや文化を感じるという機会はあまりなかったので。

生活の中でそうしたものは良く感じますよね。私が住んでいる中之作も、散歩してみると街の作りなどから、港町としての歴史と伝統を強く感じます。ちなみによく遊びに言っていた海はどこですか?

神奈川県の藤沢市に住んでいたので、電車で10分ほどのところにある江ノ島に行くことが多かったですね。

これまでも割と海は身近にある生活だったんですね。江の島の海と、福島の海の間で違いを感じる部分はあったりしますか?

江の島は、やはり観光地としてのイメージが強いです。福島の海は、何年も続いてきた港町の歴史やその土地の人々の思いが伝わってきて、生活の一部としての海という面が強いのか、同じ海でも表情が違うなと感じます。

また福島の沿岸部を走っていると、平穏な海が広がっていますが、周りを見ると、かさ上げされていたり、防波堤が建っていたりと、震災の爪痕が残っていて、どうしても海水浴したりといった楽しい海のイメージだけじゃない部分を感じのも、大きく異なるところですね。

特に津波の被害が大きかった薄磯・豊間の、本来住んでいた土地から何メートルも高い場所に住宅が並んでいる景色からは、震災の爪痕を強く感じました。

震災の爪痕は感じざるを得ないところですよね。震災の時も東京に住んでいたんですか?

僕は2010年~2014年まで香港で暮らしていたので、震災を経験していないんですよ。だから当時復興がどういう雰囲気で進んでいったのかもわからないし、自分事としてとらえられない部分がありますね。

「Cycle Weekend in Iwaki」を企画したときも、やはりそうした部分は意識しましたか?そういった要素を盛り込むと、かなり企画の雰囲気も大きく変わってくるのではないかと思うのですが。

そこのバランスが難しいなと感じますね。あまりそういった色が強くなりすぎると、本来の企画の趣旨ともずれてしまいますし。それでも、いわきに来てもらって自然を楽しんでもらうのもいいですが、あえていわきに来る意味を考えると、それだけに留まってしまうのはもったいないと感じます。

私はガイドとして同行するわけではないので、あえてこっちからあれこれと言うことはしないですが、それぞれがその場の雰囲気から感じ取ってくれるものが絶対にあると思います。楽しんでもらうことが第一ですが、それぞれが何かを感じて、それを持って帰ってくれたらうれしいです。

これからも自転車のイベントはもちろん、農業系の体験イベントなども行っていく予定なので、ぜひ県外からいわきに遊びに来てほしいと思います。

 

〈インタビューを終えて〉

私は、畑中さんと年齢も近く、同じぐらいの時期にいわきに移住してきたので、話の中で強く共感できる部分が多くありました。しかし、その中でも同じ県内出身である私と、首都圏で育った畑中さん。震災を福島で経験した私と、震災を経験しなかった畑中さん。というふうに、それぞれの視点があります。そこで福島の海の魅力をどう感じるか、どう映るのかという部分に現れる違いが面白いと感じます。これからも様々な人にお話を聞いて、その人が感じる海の魅力とそこから照らし出される、私独自の視点というものを深めていきたいと思います。次回のインタビューもお楽しみに!

海プロ in ふくしま レポーター:松井武郎

 

 

 

 

イベント名「Cycle Weekend in Iwaki」
  • 「インタビュー:畑中駿之介さん 外の目線からいわきの魅力を発信」
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