東日本大震災で巨大津波の被害を受けた福島県浜通り。地域の復興の「今」を見つめ、今一度、海に根付いた地域の文化や、その町に生きて来た人たちに思い馳せたい。海と日本 PROJECT in ふくしまでは、そんな思いから、被災地の今を紹介するシリーズ「海と復興」をお届けして参ります。
第8回は、南相馬市鹿島区にある、かしまの一本松をご紹介します。
東日本大震災の復興のシンボルとなった「奇跡の一本松」といえば、岩手県陸前高田市のものが有名ですが、鹿島区の右田浜海岸にも津波の被害から生き残った松が存在します。「かしまの一本松」と呼ばれ、地元の有志が守り続けてきました。福島第一原発からほぼ30kmのところにあり、太平洋の荒波が打ち寄せる海岸に、一本松は立ち続けています。
高さ約25メートル、根回りは約2メートルあり、幹は傷だらけになってしまいました。波音の響く浜辺。わずかに残る痕跡が、かつてそこに暮らしがあったことを、わずかながら今に伝えているようです。広大な更地の一本松。津波被害の悲惨さを私たちに伝える、大事な標識の役割を果たしてくれています。
この場に立つと、様々な思いが去来することでしょう。震災の悲惨さ、そして復興の力強さ。人それぞれ思うことは異なるかもしれませんが、自分なりに震災と復興に向き合うと言う体験が重要なのではないでしょうか。この場所は、震災に思い馳せるだけの力があります。ぜひ足を運んで頂き、目の前の景色のなかで、様々に思いを張り巡らせてみて下さい。
イベント名 | かしまの一本松 |
場所 | 福島県南相馬市鹿島区 |