奥深いカツオの世界　人気に「火」がついたカツオの「火山」 | 海と日本PROJECT in ふくしま

大川勝正社長に話を伺うと、もともと大川家では、赤い生の刺身と火山の両方が食卓に上がっていたそうです。カツオは足の速い（劣化しやすい）魚であり、食べられる期間を延ばすため、周囲に火を通す藁焼きを取り入れていったのではないかということでした。カツオという食材を無駄にしないという魚屋としての思いが、火山の背景にはあるようです。

火山は、保存期間を延ばすだけでなく、旨みを膨らませる効果もあるようです。火で炙る際、藁から煙が出てきます。この煙で燻されるという工程があるために、スモークのような香りがつき、それがまた食欲をそそる香りのアクセントになっているのです。食材の力を引き出し、旨さをプラスして、かつ、保存期間も延ばす。そんな魔法のような調理法が、この「火山」だというわけです！

カツオといえば刺身！　という方が多いと思いますが、ぜひ機会があれば、この「火山」も楽しんでみてください。カツオという食材の奥深さ、そして、地域の食文化の豊さに気づくことができるはずです。ぜひたっぷりの野菜・薬味と共に召し上がってみてください。