レポート
2025.06.26

初夏に出やすい幻想的な「霧」を、港町の魅力としてとらえてみる

みなさんこんにちは。海と日本プロジェクト in ふくしま、レポーターの小松理虔です。私はいわき市の港町、小名浜に住んでいるのですが、昨日(6月25日)は1日中深い霧が立ち込め、沿岸部全体が幻想的な雰囲気になりました。今回は、初夏の時期に出やすい霧を、港町の魅力のひとつとしてご紹介したいと思います。

朝起きると、港のほうから「ポーッ」という警笛が聞こえてくる日があります。そんなときは「あ、今日は霧が出てるのかな?」と想像がつく。それが海沿いの暮らし。カーテンを開けると案の定、海のほうに白いモヤがかかったようになっているのが見えます。

港からたびたび聞こえてくる警笛がまたいい雰囲気で、それに誘われるように港のほうに足を伸ばしてみると、霧の濃さがさらに深まり、視界は100メートルほどでしょうか、霧に包まれたような状態になっていました。確かにこの霧の濃さででは海上の船は大変でしょう。

観光地の「いわき・ら・ら・ミュウ」やイオンモール、小名浜魚市場など大きな建物も、近くに寄らないとくっきりとは見えません。この幻想的な霧の天気。案外これも、港町らしい風景なのかもしれないなと思います。岸壁でぼーっとしていると、なんともいえない「まったり感」が味わえます。

霧に包まれ幻想的な港町

  1. いわき・ら・ら・ミュウ近辺。かなり霧が濃くなっています。海に近いほど霧が濃くなります
  2. イオンモールいわき小名浜店を見上げると、やはりこちらも霧がかかって文字が見えにくい状態
  3. 堤防から小名浜魚市場をみてみると、朧げながらにしか全体を確認することができません

霧は、大気中にごく小さな水滴がたくさん浮かんでいる状態のことを言います。 海上で発生する霧は、暖かく湿った空気が温度の低い海面上に流れ込み、空気が冷やされることで、空気中に含みきれなくなった水蒸気が凝結して微水滴となり、目に見えるようになった状態のことを言います。理科の授業でも習いましたよね。

霧にもいくつか種類があり、温かくて湿った空気が冷たい地面や海面を移動するとき、下層から冷やされてできる霧のことを「移流霧」と呼びます。濃霧になりやすく、かつ霧の継続時間も長いため、移流霧が発生した海域では、船舶に大きな障害が出ます。だから警笛を鳴らす船が増えるわけですね。小名浜の霧もこれに該当しそうです。

さらに調べてみると、一般的に海霧は、気温が水温より高くなる3月から7月の時期に発生しやすくなると言われています。特に、北海道や三陸沖など、冷たい海流が流れる地域でよく見られるとのこと。小名浜沖も「三陸沖」のすぐ南に当たりますので、霧が発生しやすい地域と言えるのかもしれません。なるほど勉強になります。

また「霧」と同じ状態を示す「もや」という言葉もありますが、視程(肉眼で見分けられる距離)が1km以上10km未満の場合を「もや」 と呼び、視程が1㎞未満となった場合を「霧」と呼ぶそうです。さらに、霧が濃くなり、視程が陸上で100m以 下、海上で500m以下となった場合には「濃霧」とカテゴライズされます。

知っているようで知らない霧。たまたま霧が濃く出たので、霧のことについて調べてみたわけですが、知れば知るほど、不思議な海の魅力を感じることができます。なかなか狙ってみられるものではありません。たまたま幸運にも霧に遭遇したときは、この風景を存分に味わってみてください。車の運転は、十分にお気をつけて!!

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