レポート
2017.06.23

シリーズ「海と復興」いわき市小浜漁港

 

東日本大震災で巨大津波の被害を受けた福島県浜通り。地域の復興の「今」を見つめ、今一度、海に根付いた地域の文化や、その町に生きて来た人たちに思い馳せたい。海と日本 PROJECT in ふくしまでは、そんな思いから、被災地の今を紹介するシリーズ「海と復興」をお届けしています。

第19回目となる今回は、いわき市の小さな漁港「小浜漁港」を紹介します。

いわき市南部。常磐共同火力勿来発電所の北側にひっそりと存在している小浜漁港。もともと天然の良港として知られ、震災前は主にウニやアワビ漁が盛んに行われていた港です。周囲の風光明媚な自然とあいまって、古き良き漁港の姿を残す漁港として知られていました。

震災では、県内の他の漁港と同じように甚大な被害を受けましたが、現在は復旧し、漁船の稼働も始まりました。実は釣りの穴場としても知られており、休日や夜間などになると、どこからともなく釣り客が訪れます。震災はありましたが、この港は昔と変わらず「海と人が交わる場所」であり続けています。

 

夕日の美しさが句に詠まれた小さな漁港

  1. 釣りの穴場でもあり、太公望たちが大物を狙っています。
  2. 内藤露沾の撰んだ勿来八景。小浜もその1つ。
  3. 震災で崩れた箇所もあったが、現在は完全復旧。

 

このサイトでもたびたび登場している、いわきを代表する俳人の内藤露沾は、勿来地区の美しい「八景」を撰んだ際、夕日の名所としてこの小浜を選んだそうです。石碑には、露沾の弟子が詠んだ句が刻まれています。

一しくれ 夕日に干しや 鰈網

小さな港だからこそ、この海と地域の人たちの関わりの深さが肌で感じられるようです。少しずつかつての姿を取り戻しつつある漁港。夕日に照らされた漁師と漁具が目に浮かぶことでしょう。

(専任事務局員・小松)

 

イベント詳細

イベント名小浜漁港
場所福島県いわき市小浜町地内
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