レポート
2024.08.15

思い出めぐり in 四倉

みなさんこんにちは! 海と日本プロジェクト in ふくしま、レポーターの清藤杏加です。この夏休みを利用し、海と日本プロジェクト in ふくしまの事務局を担う事務所のインターンに加わり、このウェブサイトでも記事を書かせていただくことになりました。

生まれ故郷である港町、四倉の魅力を皆さんにもっと知ってもらえるよう、さまざまな記事をこちらで発信していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします!

2024年7月末、四倉海岸を久々に散策しました。この日の最高気温は37℃。夏場も涼しいことが自慢だった四倉町も、今ではサバンナ状態。エアコンは一家に一台から一部屋に一台と言いたいくらい今年の夏は全エリア暑いです。

熱中症対策と日焼け対策を万全にしつつ、カンカン照りのお日様のもと、四倉海岸で思い出に浸りながら「これぞ夏だ!」という景色を楽しみました!

震災前と変わる風景

  1. いつの間にかできた、ヨツクラと書かれた映えスポット
  2. プレハブの海の家。かき氷を食べたくて駆け込みました
  3. 防潮堤の上から見下ろす砂浜。この広さが四倉です

いわき市北部の沿岸部にある四倉町は、毎年海開きが行われる時期になると、多くの観光客で賑わいます。いわき市の中でも有名な海水浴場の一つです。私が今回この四倉海岸を散策した一番の理由は、東日本大震災以降訪れていなかったからです。震災前、四倉町で育った私にとって四倉海岸は大切な遊び場の一つでした。

毎年夏になると、四倉海岸で家族と一緒に泳ぎ、四倉小学校で開催されていたサンドアートの体験イベントが楽しみでした。事前にデザインを班ごとに決め、みんなで砂と海水で作品を作り上げます。子供の頃、楽しみにしていた夏が津波によって崩されて以降、行く機会がなかった四倉海岸ですが、今回、存分に満喫できました!

私が訪れたのは平日でしたが、海開きが行われたこともあり、四倉海岸にはちらほらと遊泳客がいました。夏休みが始まり、浮き輪をもってはしゃぐ子供たちのまぶしい笑顔、それを「走らないで!」と注意する大人たち。夏定番の光景で微笑ましいなと思いつつ、暑さに悶えながら階段を上りました。

階段から見下ろすと、震災前とは打って変わり、海岸沿いには高い堤防と防災林が備えられています。避難所の案内板も設置されており、色々なところに震災の教訓が出ているなと感じました。

震災による変化もある中、嬉しい変化もありました! それはサイクリングロードができたことです! 横目で海を見ながら風を切っていくのは気分爽快間違いなし! 新たな観光スポットとして町が賑わう要素ができ、嬉しさもこみ上げます。

階段を上った先には広大な砂浜と青い海が広がります。子供のころに遊んだ海が変わらずあり、少し感動しました。散策前、駐車場から一直線だった海は防潮堤という高い壁ができ、以前の四倉海岸とは変わってしまったという寂しさがありました。しかし、壁の先にはあの頃見た思い出の海があり、海に行くまでの道がどんなに変わろうと改めてこの場所が好きだなと思いました。

海開きに伴い、四倉海岸では海水浴だけでなく海の家も始まります。階段を下りた先にはかわいらしい青いプレハブ小屋の海の家。のぼりがたくさんあり、営業中であることを確信。一目散に海の家に向かいます。

目的はかき氷です。海といえばかき氷!かき氷といえばブルーハワイ! 美味しそうな海鮮串焼きや焼きそばの案もありましたが、熱いものよりも冷たいもの。かき氷欲しさに海の家に行きました。味の種類が豊富かつプラス料金で練乳やあんこのトッピングもでき、悩みに悩みましたが、やはり当初の目的であったブルーハワイを購入しました!

日陰の座席、心地よい音を奏でる木の風鈴、シロップ多めのザクザクかき氷。波の音を聞きながら、涼しさを十分に堪能しました。

海の家近くにあった「ヨツクラ」と大きく書かれた写真スポットを発見。家族連れや恋人たちがポーズを決め、終始、楽しそうに写真を撮っていました。少しの工夫で誰かにとって素敵な思い出になるのだとかき氷を食べながらしみじみしました。

震災後との時の流れを実感

  1. ヨツクラと書かれたフォトスポットが新たな名所に
  2. 海水浴場の際のところには、防災緑地があります
  3. お目当てのブルーハワイ。美味しくて懐かしい味です

海辺を一通り満喫し、来た道を戻ります。夕方になっても暑さは静まらず、夕日に照らされた海はより一層キラキラ輝いていました。

トンボがたくさん飛び交う防災林の間を通り、ふと震災後に植樹したことを思い出しました。小学生のとき学校の活動で、未来の災害による被害を減らすためにオリーブの木を植樹しました。その当時は小さな苗木でしたが、今では私の背丈を超えるほどの大きさに。

どの木を私が植えたかはさすがに見分けられませんでしたが、昔、自分が植えた木が町を災害から助ける一部分になっていると思うと嬉しくなります。それと同時に植えた時からもう10年以上経つのかと。時が過ぎる速さを実感しました。

10年ぶりくらいに散策した四倉海岸は良い意味で変わったなと感じました。震災が発生してからしばらくはどの海岸でも遊泳できず、いわき市全体で活気がありませんでした。四倉町も人が多く集まる場所の一つであった四倉海岸が使えなくなり、衰退していたと思います。

しかし、多くの人の頑張りにより、今日、四倉海岸の賑わいを取り戻しつつあります。懐かしさと変化に対する寂しさが入れ混じる四倉海岸は私にとって、子供のときから変わらず大事な場所です。サイクリングロードのように夏以外でも楽しめる要素を増やし、もっと私が大好きな四倉海岸を盛り上げていけたらなと思います!

イベント詳細

イベント名四ツ倉海水浴場の海開き
日程2024年7月20日から8月18日まで

レポーター紹介

清藤 杏加(せいとう・きょうか)

福島工業高等専門学校ビジネスコミュニケーション学専攻に在学中。出身はいわき市四倉町。魚は見るのも食べるのも大好き。四倉を中心に福島県の海の魅力を発信!

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