レポート
2017.06.24

ふくしま海遺産 第15回 小名浜港1号埠頭

 

みなさんこんにちは。海と日本プロジェクトinふくしま専任事務局員の小松です。

こちらのコーナー「ふくしま海遺産」は、日常の景色に埋もれがちな「地元の海の遺産」を今一度掘り起こし、改めてその価値を再確認しようというコーナー。事務局員の気まぐれな取材によって紹介しているので、更新は少し不定期ですが、地元目線で海の魅力や関わりを紹介しています。

15回目の今回は、リニューアルされた小名浜港1号埠頭をご案内します。こちらの堤防、実は、戦後にこの海に沈められた駆逐艦「汐風」を再生してできた堤防として有名です。新しくなった今は、風光明媚で釣りの名所として市民に愛されていますが、たった1つの埠頭に、実は深い歴史があったんですね。

戦後、まだ物資が貧しい頃は、コンクリートなどが不足していて、港の整備などが難しかったそうです。このため、使われなくなった戦艦や駆逐艦を沈めて堤防がわりに使われたとのこと。実はこの汐風以外にも、旧小名浜魚市場そばには「澤風」という駆逐艦も沈められています。

この「汐風」と「澤風」、ご当地アニメの主人公になって現代に蘇りました。聖地巡礼の観光名所としてこの堤防を役立てようと、アニメ制作会社と地元の観光協会やまちづくり団体などが協力して完成したもの。現代に蘇ったアニメから、海と町の歴史を振り返るのも面白そうですね。

 

駆逐艦「汐風」がもとになってできた1号埠頭

  1. どのように駆逐艦が埋設されたかわかるパネルが。
  2. いわきららミュウ側から見る1号埠頭。
  3. この埠頭をもとにしたアニメもこのたび完成しました。

 

小名浜港1号埠頭は、観光地「いわきららミュウ」の先にあり、休日ともなると、多くの観光客で賑わいます。この堤防に駆逐艦が使われていることを知る人はそれほど多くはないかもしれませんが、こうして歴史を紐解くことで、人と海の関わり、あるいは戦争や震災の記憶にも触れることができます。折に触れて、紐解いていきたいものですね。

(専任事務局員・小松)

 

イベント詳細

イベント名小名浜港1号埠頭
場所福島県いわき市小名浜辰巳町地内
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