みなさんこんにちは!
海と日本プロジェクト inふくしま、レポーターの前野です。
このたび、福島県浜通りの「防災緑地」について学び、これからの活用方法をみんなで探っていく「Prevention Green Lab」を立ち上げました!
防災緑地とは、海岸堤防背後地に盛土して、クロマツや広葉樹を植樹したものです。東日本大震災後、従来の海岸堤防のみによる「一線防御」から、複数の手法を組み合わせた「多重防御」の復興まちづくりを進める一環で、各地域の沿岸部で防災緑地の整備が進められてきました。
Prevention Green Lab=PGLでは、防災緑地のよりよい活用方法をみんなで考え実践するために、防災緑地についての学びのシェアや、緑地整備・運営に関わる人へのインタビュー、防災緑地活用の先進事例を取り上げていきます。第一回目の今回は、そもそも私がこの取り組みをはじめようと思ったきっかけについてお伝えします!
私が福島県浜通りにはじめてやってきたのは、2020年の夏、大学3年生の時でした。大学でコミュニティデザインやまちづくりを学んでいた私は、「コミュニティづくり」に取り組んでいる福島県南相馬市小高区に興味をもちました。そこで、地域に滞在しながら自分と地域に向き合う「さとのば大学」という地域留学プログラムに参加し、小高に行くことに。そこから今年の3月まで南相馬に住み、4月からいわき市へ移住し、今は、港がある中之作地区で暮らしています。
浜通りにかれこれ2年近く住んでいる私ですが、海プロのレポーターになってから、この地域についてよく知らないまま、日々を過ごしていたなと感じています。これまでを振り返ると、それが如実にあらわれていた出来事が多々ありました。
特に多かったのは、同じ大学の友達に、今自分がやっている活動や住んでいる地域について聞かれても、その説明が間違っていたら嫌だから多くは話さないようにしていたことでした。今思うと、相手が聞きたかったのは、情報としての地域ではなく、私がそこで何を学び何を感じているのかといった、「わたし」からみた地域も含まれていたはずです。
海プロのレポーターを務めることは、海を通じて浜通りの暮らしを楽しむ機会をもらったということでもあります。これまでの経験も踏まえて、もっとシンプルに地域を楽しみ、それを伝える姿勢を大切にしたいと思うようになりました。まず海を知ろうと思った私は、いわきの海岸をめぐりました。行く先々で必ず目にしたのが、小さな松の木がたくさん生えている防災緑地でした。
はじめの方は、松の木を見ても震災後にいろんな人たちが植樹をして、ここまで大きくなったんだなという感想しか抱きませんでしたが、いろんな海岸をめぐっているうちに、四倉海岸の防災緑地ではオリーブが、豊間海岸ではハマナスが育っていて、地区によって生えている植生が異なっていることに気づきました。
地区によって生えている直物が異なるのなぜか、植樹の時以外でこの場所はどのように活用されているのか、この場所がもつ機能は防災以外にはないのかなど、自分の中に次々と疑問が浮かんできてため、ネットで情報を検索したりしていました。調べていると、防災緑地は、防災機能機能だけでなく、「地域振興機能」を持つことを知りました。つまり、非常時だけでなく、日常において地域住民の憩いの場や公衆の場としての機能をもっているのです。けれでも、私たちが普段の生活の中で防災緑地を活用するという場面はそう多くはありません。
今自分が行っているリサーチを一人で行うのではなく、学ぶプロセスを外に開いていくことでみんなで身近にある防災緑地について知り、よりよい活用方法を考えていけるのではないかと思うようになりました。そこではじめようと思ったのがこの「Prevention Green Lab(防災緑地研究会)」です。
私の個人的な好奇心や疑問から始まった取り組みで、何をやるのかは明確には決まっていませんが、この活動を通じてみんなが海についての理解を深め、自分たちの暮らしをもっと楽しくしていくきっかけになればと思います。
海と日本プロジェクト inふくしま レポーター:前野
イベント名 | Prevention Green Lab 【Vol.1】 |