みなさんこんにちは!
海と日本プロジェクトinふくしま、レポーターの前野です。
5月22日(日)南相馬市小高区にある小高交流センターを会場に、第4回小高つながる市with co しごとマルシェが開催されました。「一歩「そと」へ!」をコンセプトに、ものづくり作家による作品の販売、市民公募型の「一箱古本市」、ものづくりワークショップが行われ、500名を超える方が交流センターに足を運びました。
つながる市は、株式会社良品計画が不定期に開催している「ヒトとつながる、マチをつなげる」をコンセプトに、地域の方々と一緒につくり、運営している期間限定のマーケットです。全国に展開する店舗を軸に、地域の方々との交流やつながりを深め、マチとヒトとモノをつなぐ役割を担うべく、この企画がはじまりました。
南相馬市小高区でも、町の賑わいを作り、小高区と同じ市内の原町区・鹿島区との交流を生むために、無印良品のノウハウを活用し、2019年に第1回小高つながる市が開催され、今年で4回目を迎えます。
今回は、福島県相馬郡新地町から出店していた「潮風の音」の伊藤佳枝さんにお話を伺いました。
潮風の音は、新地町でビーチコーミングで拾った貝殻を使い、アクセサリーの制作・販売を行っています。ビーチコーミングとは、海岸に打ち上げられた漂着物を集め、観察して楽しむことを指し、伊藤さんは新地町の砂浜で見つけたナミマガシワという貝殻を使い、マスクチャームを作られています。他にも、伊藤さんのお子さんが作った流木やパイナップルの仲間である「エアプランツ」もつながる市で販売しました。
実は、今回小高つながる市に出店するために伊藤さんが新しく始めた活動が、このアクセサリーづくりでした。伊藤さんは、もともとどんな活動をしてきたのでしょうか?
青森県出身の伊藤さんは、結婚を機に新地町に移住。2011年の東日本大震災の後は、同じ相馬郡の相馬市に避難しました。当時まだお子さんが小さかった伊藤さん。放射線の影響など、様々な情報が飛び交っていた当時、子育てをするのに大きな不安を抱えていたといいます。
「本当は外で遊ばせたかったが、どこが安全なのかがわからなかったため、子どもたちにいろんな我慢をさせてしまいました。そんな日々を送っていたため、やりたいことをやらせてあげたい、いろんな経験をさせてあげたいという想いが日に日に自分の中で強くなっていきましたね。」
自分にできることは何かを考え、2016年に立ち上げたのが、子どもたちや子育て世代が集まれる場所をつくる「しんちの子育て考え隊」です。避難などでばらばらになってしまったママ達のつながりを作る、子供達の遊ぶ場・機会を作る活動を伊藤さんが中心となって行ってきました。
最近では、新地町にある釣師防災緑地公園にて、月に一度開催されている釣師潮風フェスで「冒険ひろば」というブースを開き、流木や貝殻を使った工作を行う機会を提供されています。
「震災前は自分が今みたいな活動をするなんて思ってもみませんでした。これからも、子どもがやりたいと思ったことを全力でサポートしていきたいと思います。場合によっては、その都度活動内容が変わっていくかもしれませんね。当たって砕けろの精神でこれからも色んなことに挑戦したいと思います! 」
教育の活動のみならず、ライトアップイベントの企画など、新地の海にもう一度きてもらうきっかけ作りやまちづくりの取り組みも行う伊藤さん。こどもたちの成長を見守りながら、ご自身も新しいことにどんどんチャレンジされているパワフルな姿勢に、勇気をもらいました。
過去にやりたかったことは、時間が経ってからでも実現することができる。
伊藤さんの話から得た学びを、自分の活動に繋げていきたいと思います!
釣師潮風フェスは、次回6月5日(日)開催です!詳しくはこちらから! ぜひお子様を連れてぜひお越しください!
海と日本プロジェクトinふくしまレポーター:前野
イベント名 | 第4回小高つながる市with co しごとマルシェ |
参加人数 | 557名 |
日程 | 5月22日(日) |
場所 | 小高交流センター |
主催 | 小高つながる市実行委員会、icoi |
協賛 | 南相馬市 |
協力 | Next Commons Lab 南相馬 |