インタビュー:久保田貴大さん 港町の暮らしをともにつくりたい

2021-6-23
海と日本PROJECT in ふくしま

 

みなさん、こんにちは。海と日本プロジェクト in ふくしまレポーターの松井武郎です。

私は、現在中之作の海沿いにある、「コウノヤ」というシェアハウスで暮らしています。「コウノヤ」は「NPO法人 中之作プロジェクト」が行う、古民家・空き家再生事業の一環として運営されています。私はここで暮らし始めてまだ日が浅いのですが、ご近所さんと少し話しただけでも、みなさんの温かい人柄が伝わってきて、これからの生活が俄然楽しみになりました。

さて、この海沿いにあるシェアハウス「コウノヤ」。一体どのようなところなのか気になる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、この「コウノヤ」の管理人で、この海プロ in ふくしまレポーターの先輩でもある久保田貴大さんに、お話を伺いました。

 

管理人になった経緯

  1. 管理人の久保田貴大さん
  2. キッチンにはきれいに食器が並べられています
  3. 私が住んでいる部屋

久保田さんは、1995年生まれの25歳。2019年3月に都内の大学を卒業し、地元の銀行に就職後1年で退職。2020年4月に、地元の長野県安曇野市からいわきに移り住み、海プロ in ふくしまでの活動の中で「NPO法人中之作プロジェクト」を取材。それがきっかけで、昨年10月から職員として働き始めました。

そのタイミングで、後に「コウノヤ」となる空き家の持ち主の方から、「空き家をうまく使ってほしい」という依頼があり、久保田さんは若者を呼び込み新しいムーブメントを起こしていきたいという思いで、シェアハウス「コウノヤ」の管理人としてそこに住み始めました。

当初は「住人が集まるか心配だった」という久保田さんですが、改修作業の様子などをSNSに投稿してみると意外にも反響があり、それを通じて「コウノヤ」に興味を持って、イベントなどに足を運んでくれる人が増えていったようです。

今でこそ、地域の住民たちと声を掛け合う間柄になったと言う久保田さんですが、中之作に来るまでは、「ご近所の間での密な関係を肯定できていなかった」と言います。青春時代、地域でのコミュニティの中での生きづらさを抱えていたため、中之作に移住し始めた当初は、地域のコミュニティの中で暮らすことに対して不安を抱えていたんだとか。

しかし、実際に中之作での生活を始め、地域の住民とのコミュニケーションを重ねていく中で、段々と、密なコミュニティの中で生きていくということを面白く感じられるようになり、住人同士の見守り・助け合いの姿勢にも魅力を感じるようになっていったそうです。

 

住みながらつくっていくシェアハウス

  1. 壁の塗装作業を行っています
  2. 慣れた手つきで作業を進めていきます
  3. 家の中には改修作業のための道具が

久保田さんにとっての、「コウノヤ」とは「住みながらつくっていくシェアハウス」。

自分たちでメンテナンスしていくのは大変ですが、自分たちで手を加えるからこその余地があります。自分たちで手を加えていくうちに、自分が暮らす建物のメンテナンスの方法論が身につき、誰かに頼らなくても自分でメンテナンスしていけるようになる。そんな、古民家のシェアハウスならではの魅力があるといいます。そして、自分たちで作業を行っていく中で、シェアハウスの住人の雰囲気も自然に醸成されていくわけです。

海辺のシェアハウスならではの魅力を伺うと、「潮の香りや船の音が聞こえ、すぐそばに海を感じられること」と久保田さん。このほか、釣りやサーフィンなどのレジャーサービスを徒歩圏内で行うことができること、港町ならではの自然や生活文化をリアルに感じられることなどを魅力にあげてくれました。ご近所さんから港で釣れた魚のおすそ分けをいただくこともあるそうです!

さらに、地域の人の寛容さも魅力だといいます。これも昔から多様な人・もの・文化を受け入れてきた港町ならではの魅力ですね。私も、突然ヨソから来たにも関わらず、ご近所さんに車を停めるスペースを貸していただき、この寛容さをじんわりと感じました。

中之作は港町であり、漁師・元漁師の方が多く暮らしています。船を所有する船主と乗組員が、1つの家族の様に生活を営んでいたという歴史的もあり、家族以外の人間と共同生活をする素地があるようです。久保田さんによれば、「そうした土地で生活をすることで、自分のコミュニティが広がっていく感覚が味わえることも特色だ」とのこと。自分を成長させてくれる港町なのかもしれません。

 

「コウノヤ」のこれから

  1. 改修ワークショップの様子
  2. これから雑草を抜いてきれいにしていきます!
  3. 庭にはきれいなアジサイが咲いています!

今回のお話で、自分の住むところを自分でメンテナンスすることで、住人の「バイブス」や一体感が醸成されていくということが伺い知れました。家をつくるだけでなく、住人同士の雰囲気や一体感が一緒につくられていく。「住みながら作る」とは、そういうことなんだなと腑に落ちました。また、中之作に住む人々の寛容さなど、現在では失われつつある価値観が根差した暮らしには、現代の暮らしをより良くするためのヒントがあるのではないでしょうか。

これから「コウノヤ」をどうしていきたいかと伺ったところ、「新たなムーブメントを作るようなシェアハウスにしていきたいのはもちろん、ここにきてくれる人たちにとっての心の拠り所となるようなシェアハウスにしていきたい」と仰っていました。

コウノヤでは、これまで、入居希望者以外でも、建物の改修が体験できるワークショップを開催しており、これからも継続していく予定だそうです。「同世代の人と話したい」「新しいコミュニティを作りたい」「自分の思っていることを聞いてほしい」など、どんなきっかけでもいいので、興味があれば、ぜひ一度イベントに参加してみてください。

これを読んで「コウノヤ」に興味を持った方、是非ふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか! 住民の1人として、イベント等で皆さんに会えるのを楽しみにしております!ホームページFacebookInstagramもチェックしてみてくださいね。

海プロ in ふくしま レポーター:松井武郎

 

イベント名シェアハウス「コウノヤ」
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