レポート
2017.06.27

ふくしま海遺産 第17回 いわき市勿来・津神社

 

みなさんこんにちは。海と日本プロジェクトinふくしま専任事務局員の小松です。

こちらのコーナー「ふくしま海遺産」は、日常の景色に埋もれがちな「地元の海の遺産」を今一度掘り起こし、改めてその価値を再確認しようというコーナー。事務局員の気まぐれな取材によって紹介しているので、更新は少し不定期ですが、地元目線で海の魅力や関わりを紹介しています。

先日、いわき市勿来方面の取材に行ったときに見つけた「津神社」が、17回目のポイントです。勿来漁港のすぐそばにあり、とても美しい眺望を楽しむことができます。祀られているのは、海津見神(わたつみのかみ)という海の神様。もともとは「九面明神」という名前だったものが、津明神→津神社と改名されてきたと言われています。九面(ここづら)とは、このあたりの地名です。

海津見(わたつみ)は「綿津見」「海神」とも書き、日本の神話でもっとも最初に登場するのが「大綿津見(おおわたつみ)」という神様。イザナギ、イザナミの間に8番目に生まれ、海を司る神とされています。海の神様なので、この綿津見神を祀る神社は日本の沿岸部の各地にあり、いずれも、海の安全や豊漁などのご利益があるとか。

 

勿来の漁港を見つめ続けてきた神社

  1. 境内から覗く勿来漁港がとても美しいです。
  2. 小さな丘の上に神社があります。
  3. 立派な鳥居。かつて神輿かつぎも行われていました。

 

かつては、この地域の氏子の信仰を集めていたそうですが、国道6号線を造成する際、氏子の地域が分断されてしまい、それ以後は、お祭りなどは行われなくなってしまったそうです。しかし、海を見下ろす丘の上にあり、その重厚で静謐な雰囲気は、今なお「海の神様」を祀る神社としての威厳が感じられました。

海と人の関わりは、食やレジャーだけでなく、かつては「信仰の対象」でもありました。沿岸部には、海と関わりのある神社も数多くあります。1つひとつ丁寧に見ていくと、かつての日本人の海との関わりが、さらにビビッドに見えてくるような気がします。海と神社の関わり、もう少し調べてみたいと思います。

(専任事務局員・小松)

 

イベント詳細

イベント名勿来町九面「津神社」
場所福島県いわき市勿来町九面字九浦町99
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