今年、海と日本プロジェクト in ふくしまでは、福島の海の復興の現状や風評被害について現地調査を行う、筑波大学社会学類・五十嵐泰正ゼミとコラボ。学生目線で、そのリサーチ結果や感想をレポートしてもらう連載企画をスタートします。初めて福島の海を訪れる学生たち。福島の海は、彼らの目にどのように映るのか。これからの「海づくり」の参考にすべく、長期的に連載していきます。
筑波大生現地調査レポ vol.1
はじめてのいわき、はじめての船釣り
こんにちは。筑波大学社会・国際学群社会学類3年の平野です。7月11日(水)に、いわき市小名浜の沿岸で「臨時調べラボ」の検体採取のための船釣りが行われました。この船釣りに、五十嵐先生と同期2名と一緒に参加してきましたので、その様子をお伝えいたします。
朝7時半頃、つくばから車で小浜港へ来た私たちは、アクアマリンふくしまの富原さん、今回の釣りで乗る船の船長でもある吉田さんと落ち合います。富原さんは会うや否や海岸へ。カニ網を仕掛けていたといい、そこにはヒラツメガニが4~5匹ほど掛かっていました。さっそくふくしまの海の幸に出会え、少しうれしく思いました。
その後、いよいよ船に乗り込み、沖合を目指します。潮風を浴びながら進んでいく小さな船。私は鎌倉出身なのですが、鎌倉の海で遊んだことはあまりありませんでした。それだけに、船の上で潮風を感じつつ、青々と広がる太平洋を見るというだけでも新鮮に思えました。自然の雄大さは素晴らしいものです。
水深30mほどのところで船を止め、いよいよ釣りが始まりました。餌は沿岸で獲れたイワシです。開始から20分、まず当たりを感じたのは富原さん。釣り上げたのはマゾイです。しかしその後は誰のところにもあたりは来ず、退屈な時間が続きます。私も、少し釣竿を揺らしては、釣り針を一度上げてまた下ろすという行動の繰り返し。
と、そのとき、それまでとはわずかな反応が…!餌に食いつき、針に掛かるのを慌てず待ち構え、そしてゆっくり上げていきます。そして見えてきたのは、なんと大きなヒラメ!! クーラーボックスに入れてからもしばらく暴れまわるくらい活きのいいものが釣れました。思わず喜びが声に大きく出てしまいました。
ほかにも、水深20m地点で五十嵐先生がマゴチを釣り上げましたが、それ以外はほとんど餌を持ってかれたまま釣れることはできませんでした。それでも、普段釣りをしない私にとってはとてもいい体験をさせていただきました。
船から引き上げ、昼ごはんを食べに向かいます。しかしこの日は臨時休業の店舗が多く、少し不思議に思えました。結局向かったのはいわき・ら・ら・ミュウ内一角にある「レストラン ふぇにっくす」。海鮮丼とカジキフライ、そしていわきで水揚げされる魚の中でも特徴的なメヒカリを唐揚げにていただきました。
メヒカリの唐揚げですが、外は揚げ物特有の食感、中はとてもやわらかい食感で、おいしくいただくことができました。知り合いにはぜひとも食べることをおすすめしたいです。
その後はアクアマリンふくしま横のサンセット・ピアパークで岸壁釣り。富原さんが4本の投げ釣りを仕掛ける一方、五十嵐先生や学生たちでサビキ釣りをします。
サビキ釣りの方は10~15cmの小さなマサバとショウサイフグが次々と釣れました。ショウサイフグは全てリリースされましたが、マサバは続々とキープされていきます。ほかにもハナダイやメバルが釣れたりと、いろいろな魚を見ることができました。
一方の投げ釣りはなかなか釣れませんでした。富原さん曰く、「ギャラリーがいるときには大物が来ず、逆に誰もいないときに限って大物がかかることがある」とのこと。この日はハズレの日といったところでしょうか。
はじめてのいわき、はじめての船釣り。それは私にとって新鮮なものでした。新鮮な海の幸を自分の手で釣り上げることが楽しかったのはもちろんのこと、いわきが海の幸に恵まれているということを実感できたのも、いい経験になりました。
後日の調査合宿で、海や海産物に携わる方々のお話を聞きましたが、「いわきが誇る海の幸のすばらしさを、少しでも多くの人に知ってほしい」という思いが伝わってきました。今回の船釣りのような機会が広まってほしいと願うばかりです。
イベント名 | 筑波大学・五十嵐泰正ゼミによる現地調査 |
日程 | 2018年7月11日(水) |