レポート
2021.01.19

サスティナブルな取り組みでファッション革命!?

 

こんにちは、海と日本プロジェクトinふくしまレポーターの正木です。

みなさんは買い物をするとき、何に注目して商品を選びますか? 私は、海と日本プロジェクトで記事を書かせてもらうようになってから、環境に対してブランドが行なっている取り組みに注目して買い物をするようになりました。最近、服を買おうと様々なサイトを見ているときに、面白い取り組みをしているブランドを見つけたので、今回は、そんな面白い取り組みでファッション業界に革命を起こしているブランド2社をご紹介したいと思います。

ブランドをご紹介する前にタイトルでも使った「サスティナブル」ついて少し説明させてください。この言葉は、環境保全などの取り組みをメディアで紹介する時によく使われます。最近は、サスティナブルという言葉と一緒に「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉もよく使われていると思います。何それ。聞いたことないって方もいらっしゃると思いますし、この記事書いてる私だってちゃんとした意味知らないかも、と思い調べてみました。辞書によると、

サスティナブルとは、

英語のsustinableから由来している言葉で、直訳すると、持続可能な」という意味になります。例えば、「サスティナブルな取り組み」、「サスティナブルな暮らし」など自然環境に配慮した行動を表現する時によく使われます。

SDGsとは、

Sustinable Development Golals(持続可能な開発目標)の略称であり、の2015年に開催されたサミットで決められた2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための世界共通の目標のことをいいます。

SDGsには17の目標があり、そのうちの「つくる責任・つかう責任」、「海の豊かさを守ろう」という2つの目標は海と日本プロジェクトに関わる私や記事を読んでくださっている方は特に意識したい目標かもしれませんね。

では、ファッションに革命を起こしている2つのブランドを紹介していきます。ここで紹介するようなブランドの商品を身につけることで、普段の生活の中にちょっとだけ海のこと、地球のことを考える時間が生まれるのではないでしょうか。まずは、これからの消費活動のなかで環境問題に関わってみませんか?

 

エコアルフ

  1. UTOの7つの取り組み
  2. UTOの活動から生まれたシューズ
  3. タイで行われたゴミ拾い

 

最初にご紹介するのはエコアルフというブランドです。エコアルフは、スペイン発、全ての商品がリサイクル素材か環境に負荷の少ない天然素材で作られているサステナブルファッションブランドです。リサイクル素材として使われるものは、ペットボトル、コットン、タイヤ、魚網、コーヒーかすと様々。

Because there is no planet B(第2の地球はないのだから)という言葉を掲げ、商品を作っています。

このブランドで私が面白いなと思ったのが、「Upcycling The Oceans(UTO)」というプロジェクトです。自ら海洋ゴミを回収し、分別、再生し、製品化していくそうです。海に詳しい漁業関係者にも協力してもらいます。漁業で釣り上げてしまった海洋ゴミを持ち帰ってもらい、再生して繊維にしているそうですよ。

海を綺麗にしながら、おしゃれな衣料品を販売、その売上で環境の保護、再生に向けた活動をする。つまり、地球を守るために服を作り、販売しているといっても過言ではないですね!

スペインとタイでは、既にプロジェクトが行われていて、スペインでは40以上の港で3000人以上の漁業関係者がプロジェクトに関わり、綺麗な海が人気のタイでは観光庁が協力し、観光客や国民に対して海洋汚染問題の認知を高めるために、ダイバーやボランティアが協力し海ゴミの回収をする活動が行われています。

日本国内のプロジェクトはこれから始まるようで、現在協力団体を探しているそうです。福島県沖で回収された海ゴミが原材料になるかもしれないと思うと、どこか身近に感じてきますね。

 

パタゴニア

  1. 漁網(漁で使われる網)
  2. 魚網をつばにリサイクルした帽子
  3. 1つの物を修理して大切に使う

次にご紹介するのは、アメリカ発のアウトドアファッションブランド、パタゴニアです。自然を愛する人達によって作られたこのブランドでは、自然を守るために現在の68%の商品がリサイクル素材で作られていています。2025年までに100%の商品に使用される素材を再生可能またはリサイクル素材にすることを目標にしているそうです。リサイクル以外にも、商品を長く使ってもらうための修理サービスや売上の1%を自然環境の保護・改善のために寄付する取り組みを行なっています。とてもユニークな取り組みをしているブランドですね。

多くの取り組みの中で私が特に注目したのが魚網を使って帽子を作るという取り組みです。他社と協働し使い古され捨てられた魚網を南米から集め、帽子のつばに再生しています。

この記事を書くためにリサーチをして知ったのですが、プラスチック問題の中で特に問題視されているのが「漁網」なんだそうです。環境省によると、日本で行われた調査では、漁業から発生するゴミは海洋ゴミ全体の重量のおよそ40%と推定されているそうです。私は、プラスチックの問題といえば、ペットボトルやビニール袋などを気にしていたので、この数字にはとても驚きました。

なぜ漁業のゴミがこんなに問題視されるようになったか、パタゴニアの「ネットプラス」というビデオではこのように紹介されています。

元々は天然素材で作られていた漁網。使えなくなった漁網は修理するか、放棄していた。でも天然素材で作られていたから、放置してもすぐに生物分解したんだ。けれど、プラスチック製の漁網ではそうもいかない。プラスチックは生物分解されないので、海底に沈んだままになってしまったし、分解されるのにはこの先何百年もかかるんだ。軽量で修理が簡単だということで多く使われるようになったけど、天然素材の漁網と同じように放棄したことで、今、世界中の海で問題視されるようになったんだよね。

思い返してみれば、以前、海でゴミ拾いをしてみた時にカラフルなロープや釣り糸があちらこちらに落ちていました。私の地元の海にも流れ着いているということは皆さんの近くにある海岸でも、流れ着いたロープや釣り糸を確認することができるかもしれません。お時間ある時にでも、実際に足を運んでみてください。(「10分間、海ゴミ拾ってみた。」のレポートも読んでいただければと思います。)先ほど書いた通り、日本で行われた調査からも、ものすごい量の漁網が海底に沈んでいることが考えられますね。

この放置された漁網は、漁師の仕事場である魚の生息地の劣化を仰いでいるそうです。動物や環境だけでなく、私たちの生活にも影響を与える海ゴミ。資源豊かな海を持ち、海と共に生きてきた福島県にとってこれから先、切っても切り離せない問題になりそうですね。

 

資源をリサイクルする

 

海の美しさを未来に残すために海ゴミなどのリサイクル資源を使うことは、海を綺麗にするだけではなく、商品を作る時に使う水や電気の大幅な削減にも繋がるそうです。今世界で起きている環境問題や様々な企業の取り組みを調べ直すなかで、未来に美しい海を残すために自分に何ができるんだろうと改めて考えるきっかけになりました。

私はいつも商品を「買う」時の選択肢ばかり気にしていましたが、今回の記事を通じて、修理して使ったり、誰かにあげたり、「使う」時の選択がとても大切で、「捨てる」という選択は最終手段にすべきなのかもしれませんね。リサイクルショップに持ち込めば臨時収入になりますし、素敵な古着に出会うことができるかもしれません。

直面する様々な問題に対して、悲観的に捉えるのではなく、ファッションなど楽しみながら問題に取り組めるブランドが増えることで、環境問題に関心を持つ方がどんどん増えて欲しいですね。

今回の記事が皆さんが少しでも海のこと、地球のことを考えるきっかけになったら嬉しいです。

<海と日本プロジェクトinふくしまレポーター・正木里奈>

 

参考文献・画像出典

エコアルフ UPCYCLING THE OCEANS

パタゴニア プラスチック問題について行なっていること

環境省HP

 

イベント詳細

イベント名サスティナブルな取り組みでファッション革命!?
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