レポート
2024.09.30

おそめの海町さんぽ〜海色の鳥居編〜

 

みなさん、こんにちは! 海と日本プロジェクト in ふくしま、レポーターの染矢です。

日に日に秋が深まり、おでかけするのにちょうどいい時期になってきましたね。おさんぽ好きの私にとって、うれしい季節がやってきた!ということで、今回から新シリーズ「おそめの海町さんぽ」をスタートします! 沿岸部に位置するいわきには、まだまだ知られていない海町が多くあります。このシリーズを通して、その町に潜む魅力を掘り起こしていきたいと思います。

初回は、小名浜。いわき市を代表する観光地ですが、私が今回おさんぽしたのは、観光スポットが集まる海側ではなく、住宅街。「海色の鳥居」を目指し、海町歩きをしてきました。

 

風景から辿る港町の過去

  1. 趣を感じる瓦屋根の家。かつてお店を営んでいたのかもしれない
  2. グリーン劇場とローズ劇場の2つから成る映画館だった
  3. 住宅街の真ん中を流れる小名川。よく見ると魚が泳いでいた

小名浜にある事務局からおさんぽスタート。かもめモチーフの街灯が点在する「小名浜銀座商店会」を歩いていきます。

かつては、さまざまな店が軒を連ね、ここに来れば衣・食・住に必要なものがすべて揃うほど栄えていました。時代の流れとともに商店街のにぎわいは薄れていったものの、昔ながらのパン屋や写真館、金物店などレトロな面影を残すお店が今も残っています。

狭い路地を曲がり、住宅街を歩いていると映画館を発見! 1978(昭和53)年に開業した映画館で、現在はイベント会場として使われているようです。

看板の書体や時代を感じる映画のポスター、色あせた有名キャラクターのポップ…あちこちから昭和な香りがプンプン漂います。先ほど商店街で感じたレトロさとは比べものにならないぐらい哀愁漂うその姿に、思わず大興奮! 

この映画館がかつての小名浜の姿を語りかけてくれているように感じ、しばらくの間その場に佇んでいました。

興奮冷めやらぬまま、住宅街をさらに進みます。今度は、住宅街を流れる川を見つけました。「これはなにやら歴史がありそうだ」とおそめセンサーが反応し、その場で調べてみることに。

「小名川」と呼ばれるこの川は、かつて下流で磐城炭礦の鉄道が通じていたようです。廃止後は、小名川橋の上流・左岸に沿って細長い総2階建てが立ち、飲食店や洋服店、住宅があり「小名川マーケット」として親しまれていました。実は、海だけでなく、川の町としての一面もあったのです。

 

見えないはずの海が見えてくる!?

  1. 神社の入口から見ても、海色の鳥居が際立ち存在感を放っている
  2. 拝殿横に設けられている灯篭にも、カメが彫刻されていた
  3. 青い鳥居と旬の魚がデザインされたお魚御朱印。毎月集めたくなる

小名川に沿って進むと、今回の目的地、小名浜諏訪神社に到着。まずは、石の一の鳥居に一礼してごあいさつ。

風車が装飾された手水舍で身を清めたら、大本命の海色に輝く二の鳥居とご対面。鮮やかな青色がさわやかさを演出しています。この神社は漁業、海事、港湾関係者から篤く信仰されており、青い鳥居にすることで海の守護神を表しています。

鳥居の他にも海にまつわるなにかが潜んでいるかもしれない!!とおそめセンサーを光らせながら、拝殿でお参り。お賽銭を入れ鈴を鳴らすと、早速海ポイントを発見! 鈴が漁網で装飾されていたのです。魚を獲る漁網はデコレーションにもなるとは、驚きです!

さらに、境内を歩いていると、柵に囲まれたカメの形に見える謎の石を見つけました。この場所には、昔小名浜に打ち上がったカメが供養されています。このカメを神様としてお祀りし石碑を建ててお神酒などをかけているうちに、その石碑が不思議なことにカメの形になったという言い伝えがあるのです。

海ポイント満載な神社で印象的だったのは、月ごとに旬の魚がデザインされた「旬のお魚御朱印」。取材時はメヒカリが描かれており、港町らしさあふれるユニークな御朱印に心を奪われました。神社のトレードマークである青い鳥居が描かれた一般的な御朱印もあります。

神社にいる間、海から離れた場所にいるのに、気づけば私の脳内は海一色になっていました。

小名浜は海沿いの観光スポットばかり注目されがちですが、レトロな町並み、住宅街に潜む川、海一色な神社と、実は多彩な魅力を秘めている町だということが分かりました。

皆さんもぜひ新たな一面を探しに小名浜を海町さんぽしてみてはいかがでしょうか。

 

イベント詳細

イベント名おそめの海町さんぽ〜海色の鳥居編〜

レポーター紹介

染矢 優香(そめや・ゆか)

埼玉県所沢市出身。2021年にいわき市へ移住。旅行ガイドブックの編集・ライターを経て、現在いわき市でフリーランスとして活動中。

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