レポート
2022.05.30

海のある暮らし【中之作編】

 

みなさんはじめまして!
このたび、海と日本プロジェクト inふくしまの事務局のレポーターになった、
前野有咲(まえのありさ)と申します。

 

 

幼少期を山形県鶴岡市で過ごし、大学進学と共に海なし県の栃木県宇都宮市へ。新型コロナウイルスの影響でオンライン授業になってからは、福島県南相馬市に移住。2020年8月から2022年3月まで南相馬でシェアハウス生活を送り、この4月よりいわき市にやって参りました!

のちほど詳しく紹介しますが、現在はいわき市中之作地区にあるシェアハウス「コウノヤ」に住んでいて、人生初めての海のある暮らしを楽しんでいます! 海プロ inふくしまのレポーターとして、福島県の海にまつわる様々な情報や、私の暮らし・体験を発信していきたいと思います!

どうぞよろしくお願いいたします!

 

 

第一弾の今回は、「海のある暮らし【中之作編】」と題して、私が住んでいる中之作についてご紹介します!

中之作は、いわき市の沿岸部、小名浜より5kmほど北に位置し、船主の屋敷が立ち並ぶ小さな港町です。
江戸時代は、周辺諸藩を含め様々な藩の米が中之作に集められ、磐城平藩の商港として栄えていました。大正〜昭和時代は、漁業が栄え、それを支える加工業や造船業も共に発展していき、住民は水産業が中心の暮らしを送っていました。

水産業を中心に栄えていた中之作に、その後様々な試練が訪れます。中でも、1996年の国連海洋法条約で200海里の排他的経済水域が制定されたことによる漁獲量の減少、2011年の東日本大震災による津波の襲来は、人々の暮らしに大きな影響を与えました。

震災後、次々と失われていくかつての古き良き古民家の街並み。
それを食い止めるべく立ち上がったのが、NPO法人中之作プロジェクトです。

 

市民参加型DIYで、空き家を生まれ変わらせる

  1. 海の見えるレンタル古民家「清航館」
  2. 海が見えるカフェと農園「月見亭」
  3. これからの暮らしを作るシェアハウス「コウノヤ」

 

NPO法人中之作プロジェクトは、震災で被害を受けた建物の修復・保存を通して、地域の歴史と文化の伝承、コミュニティ作りを目指し活動しています。

現在、3軒の古民家・空き家を再生し、それぞれレンタルスペース・カフェ・シェアハウスとして活用・運営しています。

 

①清航館

海の見えるレンタル古民家「清航館」は、会議や一日レストラン、個展、ヨガなどの各種教室等と、様々な用途で使えるレンタルスペースです。

津波被害を受けた江戸時代に塩問屋として栄えた商家は、のべ1000人を超える市民参加のDIY修復作業を経て、2014年に「清航館」として生まれ変わりました。

 

②月見亭

中之作港に面した細い坂道を登りきった高台にあった築50年の民家。DIY修復作業を行い、2019年7月海が見えるカフェと農園「月見亭」としてオープンしました。

太平洋の海を見ながら、旬の食材を使ったおいしいご飯を食べることができます!

 

③コウノヤ

「公」「港」「乞」の三つの「コウ」がテーマのシェアハウス。中之作で、これからの「暮らし」をつくっていく場所です。

元海プロレポーターの久保田さんがリノベーションを中心で進め、前任の松井さんもコウノヤに住んでいました。久保田さんと松井さんはすでにコウノヤを退去し、新天地で活動されています。現在は、私を含め3人で暮らしています!

  

関わりが「愛着」につながる

  1. 清航館の館長を務める豊田善幸さん。ヤギ小屋作りの発起人です。
  2. 適切なサイズにカットされた板をみんなで組み立てていきます。
  3. ついにヤギ小屋が完成。まずは、ヤギの気持ちを味わいます。

 

中之作プロジェクトが、今度はヤギを迎え入れるらしいというのを聞きつけて、とある休日にヤギ小屋作りに参加しました!

新型コロナウイルスの影響で、地域の清掃活動がなくなり、空き家や道路沿いに生える伸び放題の雑草問題を解決するため、ヤギを通じて人々の交流を生むきっかけをつくるため、この二つの理由でヤギを飼うことにしたそうです

 

ワークショップを通じて生まれる新たな出会い

私が参加した日は、1日で約10名の方が作業場所である清航館に訪れ、一緒に作業を行いました。かつて体験したことのあるDIY型のワークショップは、ペンキを塗る作業がほとんどであったため、ビスを打つところ、木を切って組み立てていくところから関われることに驚きと新鮮さを感じました。 

参加者の中には、いわき市出身で現在会津の大学に通う大学生やコットンを作っている方もいて、普段は絶対に関われない方と出会うことができるのがワークショップの醍醐味だと改めて思いました。

休憩中に今コウノヤに住んでいる話をすると、参加者の一人の方が「コウノヤのあの部屋の壁、私が塗ったんだよ〜」と教えてくれました。

出来上がるまでの過程が地域に開かれている(DIYで修復作業を行う)ことで、「関わりしろ」が生まれ、やがてその場所や地域への「愛着」につながっていくのかなと、その方が嬉しそうに話されているのを聞きながら考えていました。

 

地域に生きる一員として

その後もみんなで協力して作業を進め、一日かけてヤギ小屋が完成しました。

やりきったという達成感と共に、「はやくヤギに会いたいな」「またここに来て、いろんな人と話したいな」という愛着が、あの方と同じように自分の中にも生まれているのを感じました。

中之作プロジェクトの活動に、これまで関わってきた人の「愛着」と、これから新しく関わるであろう人の「何かやってみたい!」気持ちを結びつける。そんな活動を中之作に住む一人の人間として、やれたらいいな。

この地に生きる主体性が自分の中で芽生えた、ヤギ小屋作り体験でした。ヤギに会えるのが待ち遠しい!  

今後も中之作での出来事を、「海のある暮らし」シリーズと題して発信していくので、お楽しみに! それではまた次回!

海プロ in ふくしま レポーター:前野有咲

イベント詳細

イベント名ヤギ小屋づくりワークショップ
参加人数10名
日程2022年5月4日(水)
場所NPO法人中之作プロジェクト 清航館
主催NPO法人中之作プロジェクト
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