レポート
2024.06.04

海なし県出身が念願の谷地魚店に行ってきた!

 

みなさんこんにちは! 海と日本プロジェクト in ふくしま学生レポーターの、“ソロ活大学生”ことたかほです。

今回訪れたのは、南相馬市小高区にある鮮魚店「谷地魚店」です。東日本大震災の避難指示解除後、いち早くお店を再開したこともあり、多くのメディアに出演してきました。

メディアで取り上げられたとはいえ、長い間お店が続くのは、お店が愛されている証拠。今回は、地域を元気にする「谷地魚店」の魅力をお届けします!

 

数年ぶりでも顔を覚えている関係性

  1. 2016年7月にリニューアルした谷地魚店
  2. 店内から来客を察知できるつくりに
  3. 先輩は谷地さんご夫婦と数年来のお付き合い

「谷地魚店」がある小高区は、小名浜から車で1時間ほどの場所にあります。目的地までは、右側に海を感じながらのドライブです。道中にはいわきで一番広い砂浜の四倉海岸があり、思い思いにサーフィンやビーチバレーを楽しんでいました。

事前に先輩から伝えられた情報は、「お昼はお刺身になりそう」だけ。きっとどこかの食堂へ行くのだろう。勝手に想像していると、到着したのはまさかの鮮魚店の「谷地商店」でした! “海なし県”出身の私にとって魚屋は身近な存在ではなかったので、テンションが上がります。

お店の扉を開けると、店主の谷地茂一さんと奥さんの美智子さんが笑顔で出迎えてくれました。一緒に訪れた先輩が、数年前に小高に住んでいたらしく、ご夫婦とはその時からのお付き合いなんだそう。久しぶりに再会したにもかかわらず、自然と笑顔で会話が始まる姿を見て、心が温かくなりました。

 

刺身の分厚さに驚愕!

  1. 注文後に店の調理場で捌いてくれる
  2. 厚く切られた色鮮やかな刺身は絶品
  3. 全国各地から来るお客さんの想いがびっしり

久々の再会に、会話が盛り上がったところで、楽しみにしていた刺身を食べることにします。「どうやって注文するのだろう」と、ワクワクしながら先輩の様子を眺めていると、「2人前で2000円分の刺身をください!」とお願いしていました。魚を指定せず、すべてお任せして注文するあたりに、谷地さんへの信頼を感じます。

少し待っていると、大皿に盛られた刺身が運ばれてきました。今日の刺身は、マグロとカツオ、サーモンにハマチ、ヒラメのエンガワにタイの6点盛りです。私が普段食べているネタの3倍はありそうな、分厚く切られた刺身に、心が踊りました。

先輩が数年来の付き合いだったということもあり、今回は谷地さん夫婦のご自宅で購入した刺身をいただくことに。特別にサービスしていただいた白米とお茶をお供に、早速食べてみます。

分厚く切られているので、たった一切れ食べただけでも、口いっぱいに魚本来の味を感じました。新鮮な魚ゆえの、むちっとした食感と、濃厚な味わいがたまりません。一口食べただけで、値段以上の満足感が得られました。

 

海の幸に感謝できるいちばんの方法

海なし県に住んでいた学生時代は、“海の幸”へのありがたみに鈍感な自分がいました。スーパーの魚コーナーに陳列された魚の切り身は、ただそこに存在しているだけ。海で泳いでいた魚を、私たちの元へ届ける過程にいる人たちを想像できず、一つの食品として捉えていました。

対して、谷地魚店の魚は違います。この魚たちは、魚愛溢れる谷地さんによって選ばれており、店主の“想い”がこもっています。これは大手書店では目にも止まらない本も、古本屋で見つけると、店主のこだわりに“ときめき”買ってしまう。この現象と同じような気がします。

ものは同じだとしても、過程に“顔が見える人”が絡んでいるだけで、とても愛おしく感じることがある。つまり海の幸を身近に感じ、自然と感謝の気持ちが湧くには、“海の幸”を生業にする人と知り合いになることがいちばんだと思います。

確かに海を身近に感じるには、実際に海へ足を運ぶ方法もひとつかもしれません。ただ“海の幸”に対して感謝が芽生えるまでには、材料が少ないような気がします。それよりも、刺身を食べ、魚屋の店主と話をする方が、感情が動き、よりありがたみを感じるのではないでしょうか。

谷地魚店の魚を食べ、谷地夫婦の笑顔にふれ、人間の生活に切っても切り離せない「食」という営みから、海を身近に感じたランチタイムでした。

 

イベント詳細

イベント名谷地魚店
場所福島県南相馬市小高区本町1-100
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