レポート
2024.11.10

イケメンプロジェクト七浜巡り・四倉編~観光とは違う楽しみ方~

みなさん、はじめまして! 「海と日本プロジェクト inふくしま」レポーターの小林歩記です。

私は2024年4月から東京の大学を休学し、「海と日本プロジェクト in ふくしま」の事務局を担う事務所のインターンをするため、いわき市にやってきました。

これから移住者の私から見た、福島の海の魅力をお伝えしていきます。どうぞよろしくお願いします!

突然ですが、皆さんは「いわき七浜イケメンプロジェクト」という言葉を聞いたことがありますか

四倉を擬人化したキャラクターの正体とは…

  1. さんさんとした笑顔が特徴的な四倉亀吉
  2. 赤い標識灯が道の駅のシンボルです
  3. 「よつくら港」という文字が書かれています

初回は、いわき市の北東部に位置する四倉。この地を代表するキャラクターは、さんさんとした笑顔が印象的な「四倉亀吉」! 金髪に赤色が際立つ衣装を着ている姿から、明るい性格を連想します。

イメージカラーは、四倉を象徴する道の駅・トマト・ホッキ貝の赤色。そして、胸元には道の駅のシンボルである赤い標識塔のデザインが描かれています。

快晴に恵まれた8月某日、道の駅四倉から散策スタート。太陽が照り付け、滝のように汗が流れてきます。少し歩くと、さっそく、四倉亀吉の胸に描かれている標識塔を発見!堂々と立っている姿が、四倉亀吉の頼もしさと重なります。

実はこの建物、四倉の祭りで使っていたたいまつを模しているのです。火をモチーフにしたこの標識塔が日常的に見える場所にあることで、地元の方の心の灯をともしているのではないか、と想像を膨らましました。

 

地元の人にとっての“よつくら港”とは?

  1. タイル一枚一枚、個性があふれていました
  2. 子ども達が描いた絵はこんなところにも
  3. 道の駅には海の幸も売っていました

道の駅の周りを歩いていると、“よつくら港”と書かれた滑り台が見えてきました。たくさんのタイルが貼られており、かわいい猫の絵、「愛」という文字、好きなアイドルの名前など、どれも個性があふれています。誰が作者なのか気になってきました。

端から見ていくと、一枚のタイルに“いわき市立四倉小学校”の文字を発見! ですが、どうして“よつくら港”という文字が書いてあるのかは分からないまま。

道の駅の店員さんに聞いてみると、「震災後に復興に向かうために建てられたんだよ。震災後、市場がなくなったことも関係しているかもね。」と教えてくれました。

市場がなくなるくらい大きな被害を受けていたことを、この時初めて知りました。そして、改めて震災がもたらす被害の大きさを、実感したのです。同時に、かつて栄えた海が日常の。お礼を言った後、よつくら港に向かおうとすると、「お姉ちゃん、ちょっと待って!」と呼び止められました。

少ししか話していないにも関わらず、店員さんが「これ、昨日獲れたから持って帰って」と四倉亀吉のイメージカラーの由来の一つであるトマトを手渡してくださいました。トマトの栽培が盛んな四倉らしいおすそ分けに心が高鳴ります! 四倉には、トマト狩り体験ができるワンダーファームという施設もあるんだとか。おまけに、今まで物はお金で買うのが当たり前だと思っていたので驚きました。

 

四倉の海を守る、気さくなおじいちゃん

  1. 現在のよつくら港の様子
  2. 歩いていくと、赤い服を着た方々が見えました
  3. 船を海岸に固定しています

次に向かったのは、よつくら港。港へ向かう途中、キラキラした海で海水浴を楽しんでいる人の姿が遠目に見えました。四倉亀吉は「白い砂浜が延々と広がる、解放感に溢れた海」と紹介しており、まさにその通りです!

よつくら港に到着し周りを見渡すと、ポツンポツンと釣りをしている人がいるだけで少し寂しい雰囲気。そのなかに、赤い帽子に赤いTシャツを身にまとった、一際目を引く2人組のおじいちゃんがいました。

一人は小さな船の上、もう一人は海岸にいて、何やら話しながら作業をしています。何をしているのか尋ねると、「ロープを使って海岸に船を固定している」と教えてくれました。もうすぐ上陸するかもしれない台風に備えての作業だそうです。

さらに、立ち話を続けていると、彼らが海水浴場の監視員だったということが判明。

先ほど目にした、キラキラした海で海水浴を楽しむ人々を思い出しました。誰かが楽しめている裏側には、その土台を作ってくれている人が存在することを実感しました。

他にも出身地や出身大学、福島出身の有名人トークで大いに盛り上がりました。人生初の取材で始めは緊張していたのですが、気さくな四倉の方たちと出会い、いつの間にか緊張がほぐれていました。

 

滲み出る“四倉愛”

  1. 今も昔も変わらず存在する、よつくら港
  2. 昔から海水浴をする人がたくさんいたそうです
  3. お二人にとって自慢の景色です

今度は道の駅の反対側を歩いてみました。すれ違った老夫婦に挨拶をすると「何をしているのか」と声をかけてくださり、会話が広がっていきました。

県外から来た私に老夫婦がいろいろな地元トークをしてくれます。江戸時代に四倉は茨城の笠間藩の一部だったこと、朝ドラ「ひよっこ」に登場する人物の「青天目(なばため)」という名字は福島県に多いことなど、四倉愛があふれるたくさんのエピソードが飛び交います。

特に印象的だったのは、かつての四倉の姿でした。

「震災前は今歩いているところからも海が見えたんだよ。風が流れてきて寒いくらいだったからねぇ。過ごしやすくて四倉はすっごくいいところなんだよ。今は堤防ができちゃったけど…」と語ってくれました。かつての風景が失われた寂しさと地元を思う誇らしさを感じ、複雑な気持ちになりました。

四倉亀吉というキャラクターに興味を持って、始めた四倉のまち歩き。四倉亀吉を通して、四倉の産業やシンボル、人を知ることができました。

実際に足を運んでみると、観光のために来た人だけではなく、野菜を作っている人や海水浴場を支える人などフレンドリーな地元の人と出会えました。この町を誇りに思っている方の思いを感じ取れたような気がします。

これからのまち歩きも楽しみになってきました。次回イケメンキャラクター七浜巡り・久ノ浜編です!お楽しみに!

 

レポーター紹介

小林歩記(こばやし・ふき)

千葉県浦安市出身。2024年に福島県いわき市に移住。いわき市を中心に福島県の海の魅力を発信!

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