福島県立博物館が中心になって主催している「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」。その中の1つで、福島県内各地の食の文化を見直そうと企画された「福島祝いの膳プロジェクト」の成果報告を発表するためのフォーラムが、7月8日、いわき市内郷の酒蔵で開催しました。
福島第一原子力発電所の事故により、大きな被害を被った福島の食。改めて、福島の食の尊さや豊かさを再確認しようと、福島県立博物館が中心になって取り組んできたのが「福島祝いの膳プロジェクト」。フードアーティストの中山晴奈さんが中心になり、福島県内の食材をリサーチ。それらの食材を「祝い膳」という形で紹介していこうというアートプロジェクトです。
プロジェクト自体は福島県内の食材を広く取り扱っていますが、今回のフォーラムでは、とりわけ浜通りの魚食文化をテーマに中山さんからリサーチ成果が発表され、市民を交え、福島の食について様々な議論が行われました。会場を訪れた人たちは、サンマやカツオ、カレイといった浜通りの豊かな食材について語り合い、改めて自分たちの持つ「宝物」の価値に気づかされたようです。
中山さんは「浜通りは、いわきと相馬でも少し食文化が異なります。大きな枠組みでなく、地元に根付いてきた『自分たちだけの文化』を見直すことで、新たな価値に気づくことができると思います」と、祝い膳プロジェクトの成果について語りました。また、参加者からは「原発事故によって何が奪われ、反対に何を得たのか。考えるきっかけにしたい」という声もありました。
一度は失われたように見える福島の海の恵み。少しずつ回復してきている今だからこそ、改めて自分たちの「宝物」について考えてみるのもよいかもしれません。
このフォーラム、次の日の7月9日にも、別の会場で行われ、そちらでは「潮目の血」と題したトークセッションなども行われています。その模様についても、こちらのウェブサイトで紹介していきます。
イベント名 | 福島祝いの膳プロジェクト成果発表フォーラムvol.1 |
参加人数 | 25 |
日程 | 2016年7月8日 |
場所 | 四家酒造 |
主催 | はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト実行委員会 |