福島県立博物館が中心になって主催している「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」。その中の1つで、福島県内各地の食の文化を見直そうと企画された「福島祝いの膳プロジェクト」の成果報告を発表するためのフォーラムが、7月9日、いわき市小名浜のオルタナティブスペースUDOK. で開催されました。
福島第一原子力発電所の事故により、大きな被害を被った福島の食。改めて、福島の食の尊さや豊かさを再確認しようと、福島県立博物館が中心になって取り組んできたのが「福島祝いの膳プロジェクト」です。フードアーティストの中山晴奈さんが中心になり、福島県内の食材をリサーチ。それらの食材を「祝い膳」という形で紹介していこうというアートプロジェクトです。
今回のトークイベントでは、フードアーティストの中山晴奈さんに加え、東北を中心に作品を残している写真家の田附勝さん、福島第一原発沖の海洋調査チームを主宰する小松理虔さんの3人が、「潮目の血」というテーマで対話。福島の食、東北の文化、命を頂くことへの感謝や祈り、これからの福島が進むべき道など、多様なテーマでトークを展開しました。
福島県沖の海は、暖流と寒流が混じり、プランクトンが多く発生することから日本有数の漁場として知られています。その「潮目の海」がもたらす海や森の恵みをいかに活用し、価値化していくのか。それを文化の面から語り合うのが今回のトークイベントの目的です。会場にはたくさんの市民が集まり、3人の話に真剣に耳を傾けていました。
今回のトークイベントでは、改めて福島県の海洋資源の豊富さを実感できました。しかし、その豊かさが当たりまえに存在しているが故に、その価値が市民に広く共有されていないという面もあります。このような対話を通じて自分たちの海の価値に気づいていくことが重要なのではないか。そんなことを考えさせられるトークイベントになりました。
イベント名 | 福島祝い膳プロジェクト 成果発表フォーラムvol.2 |
参加人数 | 20 |
日程 | 2016年7月10日 |
場所 | オルタナティブスペースUDOK. |
主催 | はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト実行委員会 |