記事協力:医療法人医和生会ブログ
写真提供:西山将弘
みなさんこんにちは、海と日本プロジェクト in ふくしまの小松です。
先日、いわき市の四倉海岸で、救命技術を身に着けたサーファーを増やすための講習会が開かれました。地元のサーファーら90人が受講し、心肺蘇生法やサーフボードを使った救助法の講義、救助ヘリコプターのつり上げ訓練を見学。主催する常磐病院の救命救急インストラクターや市消防本部、海上保安庁の職員、医師も参加し、海の安全に対する理解を深めました。
企画したのは、常磐病院の看護師・大垣竜一郎さん。潮の流れを熟知して一年中海に通う地元サーファーが救助技術を身に着けたら、通年海の安全を見守れて救命率が上がると考えたそうです。「行政などと連携した大規模なサーファー向け講習会は全国初だろう」と語る大垣さん。自身もサーファーで、一次救命処置インストラクターの資格も持ちます。
さらに、サポーターで参加した山内クリニックの岩井淳一医師(写真上・青いジャケットの男性)もサーファーで、東日本大震災時に災害派遣医療チーム(DMAT)で救急救命に携わった経験もあり、救命技術を受講生に伝えました。
サーフボードを使った救命講習では、大垣さんが講話。救助に行って命を落とす二次災害の防止を一番に訴え「危険だと判断したら沖に行かず応援を呼ぶ」と注意をうながしました。
そのうえで、サーファーが救助に向かう場合は、周りに救助要請をし、沖に出る安全が確認できたら、浮き輪など浮力のある物を携帯して救助に向かいます。沖ではパニック状態の要救助者にしがみつかれ、ともにおぼれる危険性を警告。大事なことは「浮き輪やサーフボードでまずは浮かせて落ち着かせること」とアドバイスしました。
海を知るサーファーたちが、海の安全を守る。これほど心強いことはありません。安全な海を守るための活動を続ける大垣さんやサーファーの皆さんに頭が下がると同時に、私たちのほうも、最低限のルールや遊び方を知る努力をしなければと感じました。
また、今回の記事の作成は、いわき市の医療法人「医和生会」の皆さんに協力頂きました。海やレジャーに関わる人たちと、医療や救命救急のスペシャリストの関わりができること、それが「安心の海」を作る大きな一歩となるはずです。
(専任事務局員:小松)
イベント名 | 海難事故救助技術講習会 |
参加人数 | 90名 |
日程 | 2018年5月13日(日) |
場所 | 四倉海岸 |
主催 | 医療法人ときわ会 常磐病院 |