レポート
2018.07.24

海プロ連携事業、「調べラボ」で美味しく福島を知る

 

みなさんこんにちは、海と日本プロジェクト in ふくしま、専任事務局員の小松です。海と日本プロジェクト in ふくしまでは、今年も、福島県内外の様々な「海の担い手」とともに連携した事業を行なっていきます。今回は、その連携事業の様子をレポートします。

連携事業の第1弾として開催されたのが、いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」で行われてきたサイエンスイベント「調べラボ」とのコラボレーション。調べラボは、福島県沖で釣り上げた魚の放射線量を測定し、それを共有するとともに、福島県内で漁獲された魚の試食を味わおうという企画です。今回、私たち「海プロ in ふくしま」も連携させていただきました。

イベントではまず、アクアマリンふくしまの獣医、富原聖一先生が、小名浜近海で釣り上げられたマゴチ、キツネメバル、ヒラメなどをさばき、検体用に細かく刻んでいきます。それを半透明の容器に詰め、放射性物質を測る検査機に入れて1時間ほど線量を測定します。今回の検査では、どの魚からも放射性物質は検出されませんでした。全ての魚が検出下限値以下。安全であることががデータからも分かったということです。

富原先生からは、「現在の海域で、国の出荷基準である 100Bq/kgを超えるような魚はほとんど見つからなくなっていること」や、「仮に100Bq/kgの魚を食べ続けるとどうなるか」など、詳しい解説もありました。いまだに「福島の海域は汚染されている」と思っている方もいると思いますが、震災直後に比べれば雲泥の差。放射性物質が検出される魚は、ほとんど見られなくなってきています。

 

 

自分で釣って、自分で測る

  1. 黄色いアイナメ、赤のウスメバル、黒いキツネメバル
  2. 放射性物質を検出する測定器。1検体に1時間ほどかけます
  3. 解説頂いた富原獣医。わかりやすい説明が好評でした

 

試食では「相馬産タコのカルパッチョ」が振舞われました。線量測定に強い関心を示さなかった人も、こちらの試食は興味津々。福島のタコの美味しさに舌鼓を打っていました。科学に強い関心がなくても、地域や名産品には、目を向けてくれる方が多いのが印象的でした。みなさん、やはりうまいものには弱いんです。

もちろん、放射性物質や魚の生態について詳しく聞きたい人は、富原獣医からじっくりとお話を伺うことができます。ゆるい「試食」と、科学的な「サイエンスコミュニケーション」がうまいこと折り重なっている。そんなイベントになっていました。こうしたイベントが続けられてきた意義は、とても大きいと感じます。

 

福島の魚、安全です

  1. 放射性物質の測定結果について、富原獣医から解説
  2. 今回測定した魚、全てが「検出下限値以下」という結果でした
  3. 試食のタコのカルパッチョ。大変美味でした

 

震災から7年。自分自身で学び、安心を得た人も多いかと思いますが、まだまだ7年前のイメージが強い方、ほとんど状況を知らない方も多いはず。こうして繰り返し情報をアップデートしつつ、福島の海産物の美味しさを伝えながら、海との距離感を縮めていければと思います。

(専任事務局員:小松)

 

イベント詳細

イベント名アクアマリンふくしま × 海プロinふくしま「調べラボ」
参加人数100名
日程2018年7月22日(日)
場所アクアマリンふくしま
主催アクアマリンふくしま、海と日本プロジェクトinふくしま
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