海と日本プロジェクト in ふくしまの主催で開かれた「未来へ発信!!ふくしま潮目しんぶん記者クラブ」。県内の小学5,6年生24人が参加し、福島の海は「今」どうなっていて、「未来」の海のために何をすべきかを2日間かけて取材しました。その模様をこちらでご紹介いたします!
はじめにアクアマリンふくしまの中で、福島の海の生き物について取材した小学生記者たち。「ふくしまの川と沿岸」、「潮目の海(黒潮・親潮)」、「ふくしまの海~大陸棚への道~」という三つのコーナーで、アクアマリンふくしまの職員の皆さんから、福島の海に生きる魚たちについて学びます。
福島の海は親潮と黒潮が交わる潮目の海、そこでとれる魚は「常磐もの」というブランド魚です。「常磐もの」として有名なサンマの泳ぐ姿を初めて見た子どもたちは、食い入るように見つめていました。
“いわき市の魚”であるメヒカリの、唐揚げづくりにも挑戦です!!
調理を教えてくれたのはいわき魚塾の皆さん。青く光る大きな目が特徴のメヒカリを「初めて見た!」という声も。小学生記者たちは揚げるための下準備を担当しました。揚げたてのメヒカリの唐揚げは絶品!次々と歓声を上げながら、ぺろりと完食です。
また、今回のイベントでは「海洋プラスチックごみを減らす」ということも一つの重要なテーマ。お弁当箱もコップも、使い捨てのものではありません。子どもたちは食べ終わったお弁当箱と使ったコップをすすぎます。
いわき市の舟門海岸では、磯観察と魚釣りを行いました。
釣りをするのは初めて! という小学生記者もたくさんいましたが、仲間と一緒に福島の海に生きる生き物たちを探すことができたようです。イソギンチャクやヒトデ、ウニを見つけた子も! 魚釣りでは、アナハゼやクサフグを釣ることができたようです。午前中に学んだ福島の海に実際に触れて、改めてその豊かさを感じることができました。
2日目は、海を守るためにできることを学びます。アクアマリンふくしまの岩田先生と一緒に、薄磯海岸で「マイクロプラスチック」を探しました。海に流れたプラスチックごみが、時間の経過とともに壊れてできる「マイクロプラスチック」が、いま世界で問題になっています。綺麗に見える薄磯海岸の砂浜も、他人ごとではありませんでした。
小松技術士事務所所長、ものづくり名人の小松道男さんからは、植物で作られた「生分解性プラスチック」について学びます。世界で増え続けているプラスチックごみを減らすために、自然の力で分解される新たなプラスチックがあることを取材しました。
トウモロコシと乳酸菌でできたプラスチックに、驚きを隠せない小学生記者たち。プラスチックごみを「拾う」のはもちろんですが、そもそもプラスチックごみを「出さない」という選択肢があることを学んだようです。
この2日間で取材した内容は、小学生記者みずから新聞記事にまとめます。福島民友新聞社の佐藤編集局次長らにしっかりアドバイスをしてもらいながら、本記や見出しを書き上げていきます。
「福島の潮目の海は親潮と黒潮がぶつかりプランクトンが豊富でおいしい魚が取れ」、「青いおなかのアナハゼと赤い目のクサフグ」、「マイクロプラスチックは静電気によって海の有害物質を吸着してしまう」。出来上がった記事は、子どもたちならではの視点が入った、大人顔負けの内容になりました。
「自然と人類の互いの未来のため、わたしたちには地球の水環境の生態系を守る責任があります。一人ひとりの日々の行動は、それに貢献することができます。時はせまっています、すぐに行動に移しましょう。力を合わせれば変えることができます」と訴える世界水族館会議宣言は、去年の11月、福島から世界に向けて発信されました。
小学生記者たちはこれからも、「福島の海が今どうなっていて、未来の海のために何ができるのか」を、発信し続けてくれることでしょう。
イベント名 | 未来へ発信!!ふくしま潮目しんぶん記者クラブ |
参加人数 | 24人(※県内の小学校に通う5,6年生の男女) |
日程 | 2018年8月6日(火)、7日(水) |
場所 | アクアマリンふくしま、船門海岸 ほか |
主催 | 海と日本プロジェクト in ふくしま |