みなさんこんにちは。海と日本プロジェクト in ふくしま、専任事務局員の小松です。私が暮らしているいわき市では、7月19日に海開きが行われました。海開き以降、いわき市では暑い日が続き、絶好の海水浴日和が続いていますが、海開きから1週間を経て、各地の様子はどうなっているのか。いわきの海の「今」をレポートしていきたいと思います。
訪れたのは、いわきの北端、久之浜町にある波立海水浴場です。この日は、海水浴場に20組ほどでしょうか、海遊びに訪れた家族連れが思い思いに海を満喫していました。波打ち際でまったりと過ごす人もいれば、少し深いところで体にぶつかる波を存分に楽しむ子どもたちもいます。磯場では、カニやヤドカリを探す家族も見られました。
いわき市内の他の海水浴場に比べ、遊泳可能エリアは広くはありませんが、その分、監視の目も行き届きますし、どことなくアットホームな、プライベートビーチ感が感じられます。少し沖に消波ブロックも置かれているためか、波も穏やか。小さな子どもたちと海で遊ぶときなどは、ここなら安心して海遊びができそうだと感じました。
波立海水浴場は、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けました。その後、復興工事が進められましたが、海開きに至るまでに要した時間は実に8年。ようやく2019年に復活しました。その時にも取材していますので、その模様はどうぞこちらからご覧ください。
2019年の取材時には、まだ少し震災の傷跡が残っていたり、復興工事の跡が真新しく感じられたりしましたが、今はそれも感じられなくなり、すっかり「夏の日常」といった雰囲気。この海で遊ぶことが特別なことではなくなったんだと改めて感じます。
波立海水浴場のすぐそばには、いわきを代表する名刹「波立薬師」こと波立寺(はりゅうじ)や、海に突き出た弁天島などがあり、海水浴だけでなく見どころも多いエリアです。梅雨の時期には周辺にたくさんのアジサイが咲き誇ることから、波立寺は「アジサイ寺」という愛称もあるほどです。
波立寺は、大同元年(806年)、徳一(とくいつ)大師が海上の鎮護を念じ、海上から出現したと言われている薬師如来(波の上に立つ薬師如来=波立薬師)を安置して創建したと言われているお寺です。長い間、地元の人たちに大切に守られてきました。
この夏、久之浜を訪れることがあったら、この波立の海の美しさを体いっぱいに感じつつ、ぜひこの波立薬師や弁天島にも手を合わせてみてください。海と共にある、久之浜の暮らしの片鱗が感じられるかもしれません。そしてその祈りは、地域の復興にも通じているはずです。
イベント名 | 久之浜波立海岸海開き |
日程 | 2025年7月19日から8月17日まで |