レポート
2025.07.28

賑わい戻るいわきのシンボル | 2025夏海スケッチ「薄磯」編

みなさんこんにちは。海と日本プロジェクト in ふくしま、専任事務局員の小松です。7 月19日の海開きから1週間が経過した週末。いわきの海はどのように盛り上がっているのか。いわきの海の今をレポートしていく「2025夏海スケッチ」の時間です。今回は、薄磯海水浴場の模様をお伝えしていこうと思います。

薄磯海水浴場は、入れ込み客数などを見ても、いわきで最も集客力のある海水浴場だと思います。すぐそばに観光名所、塩屋埼灯台があるなど風光明媚な場所であるだけでなく、砂質が細かく、歩くとキュキュット音がする「鳴き砂」も有名。ザ・いわきなシンボル的海水浴場と言えるかもしれません。

私が訪れたのは7月27日。海開きの後、最初の週末ということになるでしょうか。砂浜のそばの駐車場は満杯になっていましたから、かなりの数の海水浴客がやってきているようでした。遊泳可能エリアにもたくさんの人たちがやってきていて、思い思いに薄磯の波を味わっていました。

透明度の高い美しい海、白い灯台、青い空

  1. 薄磯といえば透明度の高い海。海水浴客の朝などは自分の足がはっきり見えるほど透明度が高いです
  2. いわき名所のひとつ塩屋埼灯台。美空ひばりさんの名曲『みだれ髪』の舞台としても有名です
  3. 薄磯も遠浅の白砂がよく知られています。目の前を遮るものがなにもなく、太平洋の大きさを感じられますよ

個人的な話ですが、薄磯海水浴場は、個人的にも思い入れのある海水浴場です。特に震災後は、家族を連れて頻繁に訪れるようになりました。私の子どもも海水浴場といえばここ、というイメージを持っています。

というのも、私の暮らす小名浜地区には、震災前は「永崎海水浴場」があったのですが、震災によって地形などが変わってしまい、永崎は海水浴場としては復興はしませんでした。そのため、現在では、この薄磯が、自宅から一番近い海水浴場になっています。最初はちょっと馴染まない感覚もあったものの、今ではすっかり「地元の海」感が強くなりました。

じつは、ロックバンド・くるりの『ばらの花』という楽曲のミュージッククリップは、震災前の薄磯で撮影されています。個人的にも大好きな曲なのですが、やはりなんだかんだ言って、薄磯は多くのいわき市民にとって馴染みのある、シンボル的な海なのだと思います。

震災後は、海遊びすること自体が少なくなり、なかなか海水浴の客数も回復していなかったのですが、週末のこの賑わいを見ると、徐々にかつての風景に戻りつつあるのかな、と思いますし、率直にうれしくなりますね。やっぱり、海はこうじゃなくちゃ! という気持ちになります。

他方で、やはりこの砂浜で泳ぐと、震災のことを思い浮かべずにいられません。きっと、この海をもっと楽しみたかった人たちが多いことでしょう。だからこそ、この地に暮らしてきた人たちのためにも、思う存分、この薄磯で遊び、たくさんの思い出を作ってもらいたいと思います。

この海水浴場を訪れる際には、近くに「いわき震災伝承みらい館」もありますので、ぜひ併せてご覧になってみてください。

イベント詳細

イベント名薄磯海水浴場海開き
日程2025年7月19日から8月17日まで
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