みなさんこんにちは。海と日本プロジェクト in ふくしま、専任事務局員の小松です。7 月19日の海開きから1週間が経過した週末。いわきの海はどのように盛り上がっているのか。いわきの海の今をレポートしていく「2025夏海スケッチ」の時間です。今回は、薄磯海水浴場の模様をお伝えしていこうと思います。
薄磯海水浴場は、入れ込み客数などを見ても、いわきで最も集客力のある海水浴場だと思います。すぐそばに観光名所、塩屋埼灯台があるなど風光明媚な場所であるだけでなく、砂質が細かく、歩くとキュキュット音がする「鳴き砂」も有名。ザ・いわきなシンボル的海水浴場と言えるかもしれません。
私が訪れたのは7月27日。海開きの後、最初の週末ということになるでしょうか。砂浜のそばの駐車場は満杯になっていましたから、かなりの数の海水浴客がやってきているようでした。遊泳可能エリアにもたくさんの人たちがやってきていて、思い思いに薄磯の波を味わっていました。
個人的な話ですが、薄磯海水浴場は、個人的にも思い入れのある海水浴場です。特に震災後は、家族を連れて頻繁に訪れるようになりました。私の子どもも海水浴場といえばここ、というイメージを持っています。
というのも、私の暮らす小名浜地区には、震災前は「永崎海水浴場」があったのですが、震災によって地形などが変わってしまい、永崎は海水浴場としては復興はしませんでした。そのため、現在では、この薄磯が、自宅から一番近い海水浴場になっています。最初はちょっと馴染まない感覚もあったものの、今ではすっかり「地元の海」感が強くなりました。
じつは、ロックバンド・くるりの『ばらの花』という楽曲のミュージッククリップは、震災前の薄磯で撮影されています。個人的にも大好きな曲なのですが、やはりなんだかんだ言って、薄磯は多くのいわき市民にとって馴染みのある、シンボル的な海なのだと思います。
震災後は、海遊びすること自体が少なくなり、なかなか海水浴の客数も回復していなかったのですが、週末のこの賑わいを見ると、徐々にかつての風景に戻りつつあるのかな、と思いますし、率直にうれしくなりますね。やっぱり、海はこうじゃなくちゃ! という気持ちになります。
他方で、やはりこの砂浜で泳ぐと、震災のことを思い浮かべずにいられません。きっと、この海をもっと楽しみたかった人たちが多いことでしょう。だからこそ、この地に暮らしてきた人たちのためにも、思う存分、この薄磯で遊び、たくさんの思い出を作ってもらいたいと思います。
この海水浴場を訪れる際には、近くに「いわき震災伝承みらい館」もありますので、ぜひ併せてご覧になってみてください。
イベント名 | 薄磯海水浴場海開き |
日程 | 2025年7月19日から8月17日まで |