みなさん、こんにちは! 海と日本プロジェクト in ふくしま、レポーターの染矢です。
2024年10月18日(金)より、いわき市石炭・化石館 ほるるの開館40周年を記念した特別企画展「世界にみとめられたいわきの化石たち」がスタートしました。今回は、数々の貴重な化石が展示されている特別展をレポートしていきます。
ほるるの愛称で親しまれているこの施設は、いわきで発掘されたフタバスズキリュウや巨大アンモナイトなどを展示する「化石展示館」と、市内に繁栄をもたらした常磐炭田の歴史を伝える「石炭資料館」から成る人気の観光スポット。2022年3月に発生した福島県沖地震での被害を受け休館していましたが、今年の4月から2年ぶりに営業を再開しました。
今回の特別展が行われている展示室へは、「化石展示館」と「石炭資料館」を通った先にあります。辿り着くまでに時間はかかりますが、2つのエリアを通ってくることで、化石の成り立ちやいわきの地理・歴史などの基礎知識をしっかりと学べるため、より化石への理解が深まります。
こぢんまりとした室内には、いわきで発見された古生代から新世代までの貴重な化石がぎゅぎゅっと詰まっています。それぞれの化石がなぜ珍しいのかを丁寧に解説する解説パネルが付いているのもうれしいポイント。
私が今回注目したのは、クジラ化石のジョウバンケタス・パシフィカス。1995年にいわき市中央台高久地区で道路工事をしているときに発見されたそうです。頭部から前方の腹部までの骨がまとまって発掘され、その実物が展示されています。
あまりの大きさに圧倒されると同時に、こんな巨大なものがふだん私たちが暮らしている土地に眠っていたことに驚きました。さらに、このクジラの化石は最近の研究によってヒゲクジラ類の新属新種の化石だと判明。ラテン語で「太平洋に生息していた常磐のクジラ」と名付けらました。
この他にも、ノコギリエイのトゲの化石「イスキライザ・イワキエンシス」や三葉虫の化石「エンドプス・ヤナギサワイ」など、特別展の名の通り、世界に認めれれたいわきの新種の化石が並んでいます。
また、新種の可能性が高いといわれている、新種予備軍(?)の化石も展示されており、いわきが「化石の宝庫」と呼ばれるわけを目の当たりにしました。
かつて海だったことを証明する化石は、みなさんが今いる場所にも眠っているかもしれません。
太古のいわきを感じに、みなさんもぜひ、特別企画展「世界にみとめられたいわきの化石たち」に足を運んでみてはいかがででしょうか。
イベント名 | 特別企画展「世界にみとめられたいわきの化石たち」 |
日程 | 2024年10月18日(金)~2025年1月13日(月) |
場所 | いわき市石炭・化石館 ほるる |
主催 | いわき市石炭・化石館 ほるる |
埼玉県所沢市出身。2021年にいわき市へ移住。旅行ガイドブックの編集・ライターを経て、現在いわき市でフリーランスとして活動中。