みなさんこんにちは。海と日本プロジェクトinふくしま専任事務局員の小松です。
こちらのコーナー「ふくしま海遺産」は、日常の景色に埋もれがちな「地元の海の遺産」を今一度掘り起こし、その場所を紹介しながら、改めてその価値を再確認しようというコーナー。事務局員の気まぐれな取材によって紹介しているので、更新は少し不定期です。
さて今回紹介するのは、いわき市北部にある波立海岸。美しい海岸に置かれた歌人・内藤露沾の句碑を紹介したいと思います。内藤露沾は、磐城平藩の藩主内藤義概の次男として生まれた俳人。松尾芭蕉などとも親交があり、各地に様々な句を残しています。ここには、久之浜について詠んだ三句が石碑に刻まれています。
八百日ゆく 春の日あしや ひさの浜
とこ夏や 波立堂の 翡蓼の幸
岡寺や 駒なづむ浜 鶏頭花
春、夏、秋の三句。それぞれに、久之浜、波立堂、さらにはケイトウの花と、この地区のシンボルが詠われています。波立海岸は、かつては遠浅の海が美しい海水浴場として人気を博しました。震災後の復旧工事や防潮堤工事がまだ終わっていないため、現在は開放されてはいませんが、その美しさは健在です。
この海岸沿いを走る国道6号線は、これまでは復旧のトラックや自家用車が走る交通量の多い国道でしたが、現在はさらに陸側にバイパスが開通したため、現在は交通量はさほど多くありません。ゆっくりと海を眺めながらのドライブには好都合。この夏、ぜひゆっくりと、いわきの海岸線を旅して一句詠んでみて下さい。この美しい海を前にすれば、きっと言葉も浮かんでくるはずです。
(専任事務局員・小松)
イベント名 | いわき市波立海岸 内藤露沾の句碑 |
場所 | いわき市久之浜地内(波立海岸) |