筑波大生現地調査レポ13 震災から7年、大川魚店のいま

2018-8-23
海と日本PROJECT in ふくしま

 

今年、海と日本プロジェクト in ふくしまでは、福島の海の復興の現状や風評被害について現地調査を行う、筑波大学社会学類・五十嵐泰正ゼミとコラボ。学生目線で、そのリサーチ結果や感想をレポートしてもらう連載企画をスタートします。初めて福島の海を訪れる学生たち。福島の海は、彼らの目にどのように映るのか。これからの「海づくり」の参考にすべく、長期的に連載していきます。

 

 

筑波大生現地調査レポ vol.13

震災から7年、大川魚店のいま

こんにちは!海と日本プロジェクトinふくしまに参加させていただいています、筑波大学社会学類3年の竹川と申します。今回僕は四倉にある大川魚店さんに取材をさせていただきました。

四倉にある大川魚店さんは地域のお客様、県外からの観光客、そして通販などを通して、多くの人々に愛されている老舗魚屋です。そんな大川魚店さんがどのようにして震災を乗り越え、復興への道を歩んでいるのか。大川魚店の社長である大川勝正さんにお話を伺いました。

 

ひたむきに魚とお客様に向き合う

  1. 取材に丁寧に答えてくださる大川魚店社長の大川勝正さん
  2. 店内にはたくさんの海の幸が!!
  3. 魚や貝をその場でお刺身として食べられるんです!!

 

7年前の東日本大震災当時、海から1㎞も離れていない四倉の町は地震と津波に見舞われ、大きな被害を受けました。大川魚店では、店舗の壁の至るところに亀裂が入り、津波によって膝下までの浸水被害を受けました。

そして、それに続く福島第一原発の事故。これが、今でも尾を引く風評被害の引き金となったのです。

震災直後は、一部の魚から暫定基準値を超える放射線濃度が計測されていたため、商品を売り出しても良いのかと自信が持てなくなっていたといいます。実際に、2011年は例年と比較すると6割ほどの売り上げしかありませんでした。

そんな中でも、大川魚店さんは2011年の5月から、自社の商品を作るたびに放射能検査を実施し、現在まで書類として検査結果を残しています。その分厚いファイルは、お客様から安産性に関する質問があればすぐ出せるようにお店に常備してあります。この現在に至るまでの地道な取り組みによって、自社商品への不安感を見事に払拭してきているといえるのではないでしょうか。

 

一方で大川魚店さんは、震災後もいわきの老舗鮮魚店として、さまざまな顧客のニーズに合わせた商売を行なっています。地域のお客様の多くは、風評に関係なく晩ご飯の魚を買いに来ているようです。大川さんは、大川魚店に信頼を置いてくれている地域のお客の皆さんに感謝を述べていました。

また、品揃えが豊富な大川魚店さんでは通販で贈答用のギフトも取り扱っています。通販では、「福島を応援しよう」という気持ちを持ってくださることもあり、県内客よりもむしろ県外客の方が増加傾向にあるといいます。福島県内のお客様のほうがギフト需要に関して伸び悩む傾向は不思議に感じましたが、県内のお客様は自分では地元の魚を食べても、誰かに贈答する際にはいまだに自信を持って勧めることができないのでは、と大川さんは分析していました。

大川魚店さんは県外での物産展などにも積極的に出展してきましたが、今後の展望に関して大川さんにお聞きしたところ、今後は県外よりも県内を重視していきたいとのことです。そのために2016年に開店したいわき市泉店、そしてこれから開店する予定の郡山店で、県内顧客の地固めをしたいとのことでした。

福島県の人たちが、自信を持って地元の魚を全国にアピール出来るようになることこそが復興への大きな助力になるのではないでしょうか。皆さんもひたむきに魚とお客様と向き合っている大川魚店さんを、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

 

イベント名筑波大学社会学類・いわきでの調査実習
日程2018年7月24日

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