今年、海と日本プロジェクト in ふくしまでは、福島の海の復興の現状や風評被害について現地調査を行う、筑波大学社会学類・五十嵐泰正ゼミとコラボ。学生目線で、そのリサーチ結果や感想をレポートしてもらう連載企画をスタートします。初めて福島の海を訪れる学生たち。福島の海は、彼らの目にどのように映るのか。これからの「海づくり」の参考にすべく、長期的に連載していきます。
筑波大生現地調査レポ vol.34
魚好きの心をつかむ、福島の地魚料理
みなさん、こんにちは!筑波大学社会学類2年の神林実花です。今回は、11月22日(木)~25日(日)に日比谷公園で開催された「JAPAN FISHERMAN’S FESTIVAL~全国魚市場&魚河岸まつり~」に参加しました。そして、以前四倉のお店で取材させていただき、このイベントでは福島復興ブースでお店を出されていた、大川魚店の大川勝正さんにお話を伺いました。
このイベントでは、魚食の魅力を発信することを目的に、全国から多くの味自慢の漁師飯や磯料理が大集合していました。その数は約90店舗、来場者数は14万人を超える賑わいです。
そして、会場入ってすぐに「福島のお魚を食べようエリア」が設けられており、福島の「常磐もの」を使った魚介料理が並んでいました。大川魚店さんをはじめ4店舗、かに船さんのうにの貝焼き、上野台豊商店さんのさんまのポーポー焼きなど、福島を代表する魚料理ばかりです。さらに、日本橋ふくしま館MIDETTEさんは、福島物産品と共に福島が誇るお酒の飲み比べセットを販売されていました。
そんな「福島のお魚を食べようエリア」で、大川さんはホッキ飯とカレイ姿あんかけ、地酒を売られていました。このような県外のイベントに出店するときは、写真や名前など見た目のインパクトを大事にするそうです。30センチ級のカレイの姿あんかけは、その大きさに一際目を引いていました。そして、興味を持ってくださったお客さんに、魚の細かい説明をされているそうです。また、このようなイベントは、普段都会の人が食べることが少ないホッキ貝などを食べてもらう、良い機会だと言います。大川さんは「他のお店と比べてうちは個性的でいいかな。ホッキ貝とカレイなんて推している店はない。」と得意げにおっしゃっていました。
ごった返している会場を見渡してみると、見た目のインパクトのあるマグロや牡蠣などメジャーな魚調理ばかり。しかし、一見地味だけれど新鮮な魚に、魚好きのお客さんが多く来てくれるそうです。
同じく福島ブースで、さんまのポーポー焼き売られていた上野台さんも、さんまを出しているお店は1つだけだとおっしゃっていました。普段見慣れない魚料理に足を止める人も多く、福島ブースのお店の列は、常に絶えない様子でした。普段食べることの少ない魚の魅力を発信することこそが、魚食文化の再認識につながるのではないでしょうか。
さらに、このイベントの主催者の方がカレイの煮つけの試食を食べたときに、その肉厚さにとても感動されていたそうです。大川さんも、普段食べている福島のものが普通だと思っていたため、逆に驚いたとおっしゃっていました。このように県外に出てこそ、地元の良さに改めて気づくことができるのですね。
福島の魚を食べようエリアには、壁に福島の海産物の安全性や水産業の取り組みについての記事が掲示されていました。お客さんも列に並びながら、自然と記事に目を向けながらお話されている様子でした。会場のお客さんは、魚好きの方が多いようでしたが、このようなイベントは福島の今を知ってもらう機会となっています。
お客さんも新たな魚の魅力を知り、お店の方も地元の良さを再発見できる素敵なイベントでした。みなさんも福島の魚を見つけたときには、ぜひ福島自慢の「常磐もの」を食してみてください。みなさんも心をつかまれること間違いなしです!
イベント名 | 筑波大学社会学類・いわきでの調査実習 |
日程 | 2018年11月24日 |