筑波大生現地調査レポ37 「ふくしまプライド」を毎日お届け!イオン8店舗で展開「福島鮮魚便」

2018-12-21
海と日本PROJECT in ふくしま

 

今年、海と日本プロジェクト in ふくしまでは、福島の海の復興の現状や風評被害について現地調査を行う、筑波大学社会学類・五十嵐泰正ゼミとコラボ。学生目線で、そのリサーチ結果や感想をレポートしてもらう連載企画をスタートします。初めて福島の海を訪れる学生たち。福島の海は、彼らの目にどのように映るのか。これからの「海づくり」の参考にすべく、長期的に連載していきます。

 

筑波大生現地調査レポ vol.37

「ふくしまプライド」を毎日お届け!イオン8店舗で展開「福島鮮魚便」

 

みなさん、こんにちは。筑波大学社会学類3年の高橋智貴です。突然ですが、皆さんは「福島鮮魚便」というものをご存知でしょうか。これは福島県、福島漁連、そしてイオンリテールが連携して、首都圏と宮城県のイオン8店舗で福島県産水産物の常設販売コーナーを設けるという企画です。今回は福島鮮魚便コーナーを展開する店舗の一つである、イオンスタイル品川シーサイドさんにお邪魔しました。実際にどのような売り場の展開をされているのか、またそこにかける想いなども伺ってきました!

 

町の魚屋さんのような存在を目指す

  1. 「お客さんの反応は上々です」と斎藤さん
  2. 重要なポジションである試食販売
  3. お客さんとの会話が非常に重要だとのこと

 

この企画は今年の6月からスタート。福島鮮魚便一番の特徴は、なんといっても福島県産の鮮魚や水産加工品が毎日店頭に並ぶこと。限定8店舗ではありますが、福島県産のマガレイやマコガレイ、ホッキ貝などの新鮮な魚介類が毎日ショーケースに置かれます。実は、この福島鮮魚便のように、「県」単位の鮮魚コーナーを設置するのはイオン社内でも初めての試みとのこと。「福島県と限定することで、最初はおそらく風評被害的なお話をお客様から受けるのではないかという想定もしていました」と話すのはイオンデモンストレーションサービスインクの斎藤久さん。

お客さんから質問された際のQ&Aも事前に準備していたそうですが、意外にもお客さんの反応は上々だったそう。斎藤さんは「1ヶ月後にはすでにリピーターのお客様も。現状では関東の店舗に関しては順調に販売も推移していると思っています。お客様の声では『福島のことを応援しているから』という声が多数なんですね。まだまだ日本も捨てたもんじゃないというか」と笑顔で語ります。

 

さらに売り場には毎日試食販売のスタッフが立ち、お客さんに美味しさや安全性、また美味しい食べ方などをアピールしています。

イオンリテール株式会社鮮魚部の宮田裕史さんは試食販売が非常に重要だと語ります。福島漁連ともに、どのようにしたら福島の魚の素晴らしさをお客さんにより良く伝えていけるのかを話し合ったそう。そこで絶対に「販売員」が必要だと結論づけたとのことでした。斎藤さんは「選抜された、教育された人間が福島鮮魚便に(あたっている)。平均1600人ほど販売員がいますが、その中でも事前に講習を受けた、ある程度『語れる』人間と、今回の趣旨の意思疎通ができている人間しかそこの担当をさせていません」と強調します。

単に試食を勧めるだけでなく、流通経路の説明や鮮度のアピールもしているそう。加えてカナガシラやホウボウなど、関東ではなかなか目にしない魚も並ぶため、調理方法やレシピのアドバイスも伝えているとのことでした。「(例えば)ホッキ貝は剥き方のレシピを作りまして、お渡ししてご自宅でもできるように、というような工夫はしていますね」と斎藤さんは話します。ここにいけば新鮮で珍しい魚が常にあるということをお客様が認識し、来店動機にもなっているといいます。町の魚屋さんのような存在を目指していると斉藤さん。

 

「毎日福島の魚を並べる」というコンセプト

  1. なかなか首都圏では目にしない魚が並びます
  2. ひときわインパクトの強いアンコウ
  3. この日のおすすめはマガレイでした

 

実際の売り場をチェック。鮮魚コーナーで一番大きく目立つポップと、「復活!常磐もの!」と大きく書かれたのぼりで来店するお客さんの目を引いています。さらに販売員の制服も、通常の制服とは違う青を基調としたものになっています。「販促物も目立つように、のぼりや、通常使わないようなサイズの大きなポップを付けたりとか。お客さんが遠目から見てもわかるように販促物にもこだわってスタートさせたという経緯があります。やっぱり売り場で目立ちますよね」と宮田さん。福島鮮魚便にかけるこだわりが伺えます。

また並ぶ魚はひと目で新鮮そのものだとわかる程。「いわき、福島の魚は基本的に『日戻り船』なので、その日のうちに帰ってくる。そうではない底曳船も(他県には)いっぱいあるので、鮮度が非常にいいというのは、大きなストロングポイントになっているのではないかなと思います」と宮田さん。ただ鮮度が良いだけでなく、安心・安全も大きなポイント。ここに並ぶ魚は福島県が行うモニタリング検査、漁協がおこなう日々のスクリーニング検査、またイオンが自社で行う週1回のピッキング検査の対象になっています。ここまでの検査体制は他の水産物ではありえないとのこと。「世界で一番安全な魚じゃないかなというのは間違いないと思います」と宮田さんは強調します。

「毎日福島の魚を並べる」というコンセプトでスタートした福島鮮魚便。この企画はお客さんはもちろん、社内からも非常に好評だそうです。実際に、関西地区や東海地区の店長さんたちからもこの企画を展開してほしいという声があるそうです。試験操業ということもあり量の確保は課題だといいますが、それでも今後はさらに該当店舗数を増やしていきたいと考えているとのこと。全国のイオンで福島の新鮮な魚が毎日並べられるようになる日も、そう遠くないかもしれません。 

 

「福島鮮魚便」実施店舗:イオン板橋店、イオン東久留米店、イオンむさし村山店、イオンスタイル品川シーサイド、イオンスタイルレイクタウン、イオン名取店、イオン浦和美園店、イオン日の出店(2018年12月現在)

 

イベント名筑波大学社会学類・いわきでの調査実習
日程2018年11月28日
  • 「筑波大生現地調査レポ37 「ふくしまプライド」を毎日お届け!イオン8店舗で展開「福島鮮魚便」」
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