今年、海と日本プロジェクト in ふくしまでは、福島の海の復興の現状や風評被害について現地調査を行う、筑波大学社会学類・五十嵐泰正ゼミとコラボ。学生目線で、そのリサーチ結果や感想をレポートしてもらう連載企画をスタートします。初めて福島の海を訪れる学生たち。福島の海は、彼らの目にどのように映るのか。これからの「海づくり」の参考にすべく、長期的に連載していきます。
筑波大生現地調査レポ vol.39
小名浜にサンマが水揚げ!
みなさん、こんにちは! 「海と日本プロジェクトinふくしま」に協力させていただいています、筑波大学社会学類3年の横山裕司です。11月8日木曜日、今が旬のサンマが小名浜に水揚げされると聞きつけて見学に行ってきました。海を泳ぐサンマが食卓まで届く、そのスタート地点とも言える現場を目撃しました。
朝の7時30分を少し過ぎたころ港に到着すると、ちょうど水揚げ作業の真っ最中でした。クレーンの先につけられた網で船の中に保存されていたサンマが氷を入れたコンテナに移し替えられます。そしてフォークリフトを使って各卸業者のトラックへと運ばれ、出荷。10数名の漁師さんや港の関係者の方が休まず動き周り、スピーディーに作業が進んでいきました。
競りは既に終わっていて見ることはできませんでしたが、港にいた関係者の方が競りの様子を教えてくれました。今回の水揚げは3日前までに獲ったものが80トン、2日前に獲れたものが33トン、合計113トンとのこと。獲れた時期や、サンプルとして100尾の重さを量った大きさの目安などの情報からだいたいの値段が決まるそうです。競りは卸業者の人が手を挙げて値段がつり上がっていく競売のようなものを想像していましたが、ホワイトボードに値段が書き込まれて確認したのちに決定、と言う風にシステマティックに行われるそうです。
港で作業されている方のお話では、今年3回目の小名浜への水揚げだそうです。今回獲れたサンマは沖合の公海上で獲れたものらしく、身が大きいとのこと。今の時期はサンマの群れは福島よりも北の海を回遊しているそうで、これから寒くなってサンマの群れが南下してくれば小名浜への水揚げが増えてくるのではないでしょうか。水温が高めの今年は12月まで水揚げがあると思われます。
遅めの朝ご飯は港の近くの「れすとらん さすいち」にて。焼いたサンマのメニューがあり、せっかくなので食べてみました。今が旬ということで脂がのってとてもジューシー。肝が苦くなくて美味しい、食べやすいというのにも驚きました。実際に食べたサンマはさすがに先ほど水揚げされたもの、とはいきませんでしたが、お店を出るときに、併設されている鮮魚販売コーナーには水揚げされた直後のサンマがもう並んでいました。新鮮過ぎる!
その後今回サンマを入札した上野台豊商店の工場で、そのサンマの仕分け作業の様子を見せていただけることに。港から車で数分の工場に到着。機械によって大きさごとに仕分けされると、先ほど水揚げされたばかりのサンマがもう箱詰めされていきます。流通経路がこうしてスピーディーに進むことで鮮度が保たれているのだと感じました。既に大手スーパーへの出荷が決まったそうで、翌日には店頭に並ぶそうです。
という訳でこのゼミで二度目の福島訪問でした。今回は朝が早かったということもあり、午後の授業までにはかえって来られてしまうアクセスの良さ。関東で生まれ育った自分としては、東北と聞くと遠いイメージでしたが、福島はやっぱり近い!と感じました。そしてサンマがおいしかったので大満足でした。今まであまり魚を食べず、旬の時期も気にしたことはありませんでしたが、旬の魚はおいしい!今はサンマがおすすめです。皆さんもぜひ旬のサンマを食べてみてください。
イベント名 | 筑波大学社会学類・いわきでの調査実習 |
日程 | 2018年11月8日 |