みなさんこんにちは! 海と日本プロジェクトinふくしまレポーターの前野です!
福島県浜通りの桜情報をお届けするシリーズ「桜が紐解く海辺のまち」。いよいよ最終回。第4回目の今回は、浜通りの南、いわき市の桜情報をお届けします!
いわき市では3つの桜スポットをめぐりました。まずはじめに向かったのは小名浜臨海工業団地大畑緑地、通称大畑公園です。
炭鉱閉山によって職を失った方々への就業の場や鉱業に代わる地域の新たな産業基盤をつくるため、産業の発展による地域格差を是正するための拠点となったのが、「新産業都市」です。いわき市が昭和39年に新産業都市に指定されると、小名浜港では重化学工業を中心とした臨海工業地帯の整備がすすみました。
企業の工場を誘致する場合、周辺地域の環境保全に取り組むことが工場立地法で定められています。そこで整備されたのが「小名浜臨海工業団地大畑緑地」です。大畑公園は丘の上にあり、園内には約240本もの桜が植栽されています。
例年多くの花見客で賑わい、私が訪れたこの日は仕事帰りに車で立ち寄った人や、大人数のグループでお花見をしている方がたくさん見受けられました。歩道の両脇に桜が植栽されているため、海から吹くここちよい海風を感じながら、桜のトンネルを楽しむことができます。
次に向かったのは、三崎公園です。三崎公園には小名浜港とまちなみを望める「マリンタワー」、太平洋を真下に見下ろせる「潮見台」、巨大すべり台などがあり、家族みんなで楽しめる公園となっています。
三崎公園でのお花見は夕方がおすすめです。夕日に照らされた海と桜は、時間の経過も忘れるくらいずっと眺めていられますし、ほっと一息つける時間にもなります。公園で遊んでいた子どもたちも、遊ぶ手をとめて港の方をじっくりと眺めている様子でした。
最後に向かったのは、勿来漁港です。勿来海水浴場や勿来漁港があるエリアは、九面(ここづら)とよばれています。桜は九面薬師堂への入り口のところに一本咲いていました。ちょうど海を見下ろせる場所に植栽されています。
新地町の大戸浜地区と同様、近くの津神社には「海津見神(ワダツノミカミ)」という海の神様が祀られていました。「桜」がなかったらおそらく辿り着けなかっただろう場所にも、この地域の海を見守り続けている神様がいるのだと改めて実感しました。
全4回にわたってお届けしたシリーズ「桜が紐解く海辺のまち」、今回で最終回となりました。「桜」を頼りに海辺を歩き、桜が咲いている場所に辿り着くと、そこには語り継いでいきたい地域の歴史や教訓、祈りも共にありました。
なぜこんなにも桜が人々を惹きつけるのか。
もしかすると、浜通りの海沿いに咲く桜には、地域の今と過去をつなぎ、未来につなぎたいメッセージを伝えるシンボルとしての役割があるともいえるかもしれません。
桜のような、地域を立体的に捉えるきっかけをもたらすものを今後も見つけていきたいと思います。
海と日本プロジェクトinふくしま レポーター 前野
イベント名 | 桜が紐解く海辺のまち〜④いわきの桜〜 |
日程 | 2023年3月31日(金) |