レポート
2018.10.01

筑波大生現地調査レポ21 福島を代表する魚・「マコガレイ」

 

今年、海と日本プロジェクト in ふくしまでは、福島の海の復興の現状や風評被害について現地調査を行う、筑波大学社会学類・五十嵐泰正ゼミとコラボ。学生目線で、そのリサーチ結果や感想をレポートしてもらう連載企画をスタートします。初めて福島の海を訪れる学生たち。福島の海は、彼らの目にどのように映るのか。これからの「海づくり」の参考にすべく、長期的に連載していきます。

 

 

筑波大生現地調査レポ vol.21

福島を代表する魚・「マコガレイ」

みなさん、こんにちは。海と日本プロジェクトに参加させていただいています、筑波大学社会学類尾池遊戯です。今回は福島県で有名なマコガレイについて調査していきたいと思います。

 

マコガレイ(真子鰈)はカレイ類を代表する種類で、旬は夏ですが、秋になっても味が落ちず、冬になると卵を持ったメスのカレイが大量に入荷するため、年中高い値段で取引されています。

マコガレイという名前の由来は諸説ありますが、冬~春に子持ち(真子持ち)が大量に入荷するためとの説が有力です。福島は沿岸が全体として砂浜続きなので、カレイが多く生息しています。底引き網漁で大量に捕獲できるほか、釣りでも船や港からの泳がせ釣りによって型のいいマコガレイが釣り上げられることがよくあるそうです。

 

私は大学のゼミで福島に調査をしにいく機会があったのですが、その際マコガレイに接する機会が3回あったので順に紹介していきたいと思います。

 

深く親しまれているマコガレイ

  1. マコガレイの刺身
  2. マコカレイの煮付け
  3. 裏向きに置かれたカレイ

 

まず、「膳と宴 小名浜店」にお邪魔した時です。このお店は全国に店を構えるチェーン居酒屋なのですが、小名浜店では福島で取れた地魚を提供している珍しい店舗で、その日はちょうどマコガレイマコカレイの刺身が入っていたそうなので、いただいてみました。

食べてみると旬ということで脂がのっており、それでいて臭みのないさっぱりした味でとても美味しかったです。普通チェーン店では、本会社が食料を一括購入した方がコストダウンを図れるのですが、あえて福島県産の魚を使っていることにこだわりを感じました。

 

次に、カレイ釣りに行った方がさばいてくださったマコガレイの煮付けを頂いた時です。身はふっくらとしていてとても美味しかったです。冬に取れる卵持ちの煮付けも食べてみたいと思いました。

このように生でも調理しても美味しいのがカレイの魅力だと思います。

 

3回目は、四倉にある大川魚店さんにお邪魔した時です。そこで店主の大川さんにいく幾つかマコガレイマコカレイのお話をうかがいました。大川さんに曰く、「カレイは様々な種類があるが浜通り、特にいわき地区でよく食べられるのはマコガレイです。」

少し不思議に思ったのは、ここでお店に置いてあるカレイを見ると、目のない裏側が上を向いておかれていたことです。

これはなぜかと聞くと、「浜通りの人はマコガレイを買うとき、卵を持っているか確認したいため、それがわかりやすいように裏側で置いています」とおっしゃっていました。つまり、福島県民地元のお客様は卵を持ったマコガレイを好んで選ぶ食べることが多いので、それが目視で確認できるように裏で置いてあるそう。

 

このように、マコガレイは福島県民の方々に深く親しまれていることがわかりました。また、福島産のマコガレイは2016年に試験操業対象魚種となっており、首都圏のスーパーでも見かけるようになっていくと思います。県外の皆さんも一度福島にいらして、そして地元のスーパーで買ってみて、福島の誇るマコガレイを一度食べてみてはいかがでしょうか。

 

イベント詳細

イベント名筑波大学社会学類・いわきでの調査実習
日程2018年7月23日
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