筑波大生現地調査レポ43 調和/創造/奉仕の心で地元を盛り上げるいわき魚類

2019-1-23
海と日本PROJECT in ふくしま

 

今年度、海と日本プロジェクト in ふくしまでは、福島の海の復興の現状や風評被害について現地調査を行う、筑波大学社会学類・五十嵐泰正ゼミとコラボ。学生目線で、そのリサーチ結果や感想をレポートしてもらう連載企画をスタートします。初めて福島の海を訪れる学生たち。福島の海は、彼らの目にどのように映るのか。これからの「海づくり」の参考にすべく、長期的に連載していきます。

 

筑波大生現地調査レポ vol.43

調和/創造/奉仕の心で地元を盛り上げるいわき魚類

 

みなさん、こんにちは。筑波大学3年の尾池と申します!今回はいわき市中央卸売市場で水産物卸売業を行っている企業の一つである、いわき魚類の鈴木社長にインタビューをさせていただきました。卸売業者の主な業務内容は、漁師さんが出荷したたくさんの魚を買い取り、買参権を持った仲卸業者や魚屋さんに小分けに売るというものなんですが、いわき魚類さんはこの業務を軸としつつ他にも様々な事業を起こして企業を拡大させています。

そんないわき魚類さんの社是「調和/創造/奉仕」には、それぞれどんな意味が込められているのか、福島に対してどう考えているのかを取材してきました!

 

調和を大切にしながら創造をしていく

  1. いわき魚類の様子
  2. 段ボールの中はすべて魚
  3. 「とにかく面白いことをしていきたい」と話す鈴木社長

調和について−

卸売業界では最近、仲卸人にセリをかけるよりも効率的で多くの利益が見込める、企業に直接魚を売る相対取引というものが流行っていますが。

「相対取引自体が効率的で多くの利益が見込めるとは限らない。昔ながらのセリ売りを大事にしながら、現在増えてきている相対取引も活用し、時代にあったバランスのいい取引を行っていきたい。」

 

創造について−

一般的な卸売業者の業務以外に、どのようなことを行っていますか?

「例えば、関東にある水族館の海獣に必要な鉄分を補給するための赤身は、現在いわき魚類から出荷されている。また、子会社に水産物加工会社を持っていて、そこで作られたカジキやカツオのフライを県内全域の小学校の給食に使用する事業も行って、魚食普及活動の一環としてそういう事業を行っている。あとは、首都圏を中心に展開しているビアレストランで福島フェアというのやっていて、水産学校の実習船で取れたマグロとかを売っている。とにかくそういう面白いことはないかと常に探し回ってますね。」

 

奉仕について−

魚離れや風評被害に対してはどのような活動を行っていますか?

「魚食普及団体の『いわき魚塾』を卸売業者と仲卸業者と共に立ち上げて、いわき市内で料理教室を開くなどしている。また、うちのHPでは「お魚マイスター講座」というのを開設していて、累計50回ほどにわたって福島で取れる魚や旬の魚の雑学などを紹介している。あとは魚霊祭という祭を年に一回魚を供養するために行っている。風評被害に関しては、都内で風評関連のイベントがあれば顔を出して喋ったりすることもしてきた。」

このように事業を拡大させようと奮闘しているいわき魚類さんですが、そこには企業をよくすることで福島全体を盛り上げていきたいという思いがあるそうです。

 

−魚食普及に関してこれからしていきたいことはありますか?

「社是の奉仕に当たる魚食普及活動は仕事の一環だと思っていますが、全体の3%くらいのイメージです。やっぱりいちばんの魚食普及は魚がバンバン売れることだと思っているし、事業活動がいちばん大事なわけで。うちらが元気だから周りを元気にできる。だからこそ昔からお世話になっている人を大事にしながら、それで手が届かない部分に自分らが進出して行って、いわき魚類をよくしていきたい。」

 

−地元に対してはどのように貢献していきたいですか?

「地元企業として、これだけ海に面する場所に住んでいるんだから、漁業が下火になっていくのは見たくない。また、卸売市場の特性上地元に密着して、地元企業とのつながりを大事にすることが卸売業を発展させていく秘訣だと思う。お客様や出荷者、メーカーとのつながりを大切にしながら、いわき魚類が必要とされる仕事をしていくことが、最大の福島への貢献につながるんじゃないかと思っている。こうやって産業を盛り上げていけば地元からも自分たちを必要としてくれるし、そうやって水産業関係者や他業種の仲間とも地域とも支え合いながら仕事をしていきたいですね。」

『いわき魚類として、調和を大切にしながら創造をしていくことが、福島へのいちばんの奉仕になる』という信念のもと、これからもいわき魚類の存在価値と事業を拡大していこうと目を輝かせる鈴木社長の姿が印象的でした。

 

イベント名筑波大学社会学類・いわきでの調査実習
日程2018年12月1日
  • 「筑波大生現地調査レポ43 調和/創造/奉仕の心で地元を盛り上げるいわき魚類」
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